写真を愛するクリエイターたちが語る、カメラとそのストーリー。「愛機」という存在には、それぞれの人生観や価値観が映し出されます。今回の連載では、〈SONY α7 III〉を愛用するfujikkoさんが登場。
冬になり寒さが厳しくなると、外出が億劫になりがちです。しかし、写真愛好家にとっては特別なチャンスの季節。冬の撮影経験を通して出会った工夫や気づき、そして冬ならではの美しい瞬間について語ります。
〈SONY α7 III〉基本情報
有効約2,420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、広いダイナミックレンジと高感度性能を実現しています。撮像エリア全体の約93%をカバーする693点の像面位相差AFセンサーと425点のコントラストAF枠により、高速かつ高精度なオートフォーカスが可能です。
常用ISO感度は最高51,200まで対応し、低照度環境でもノイズを抑えた撮影が可能です。また、ボディ内に5軸の手ブレ補正機構を搭載し、手持ち撮影時のブレを効果的に抑制します。さらに、最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写が可能で、動きの速い被写体も確実に捉えます。
色のない季節が引き出す、被写体の魅力
冬は自然の色彩が控えめな季節です。緑や赤の葉もなく、草木も静かに眠っています。しかし、この控えめな色合いこそが、人物撮影において服装や表情、動きをより引き立てる効果を発揮します。背景がシンプルだからこそ、被写体そのものが際立つのです。
たとえば、冬のキャンプで撮影した息子の写真は、印象的な一枚です。燃え盛る炎のそばで周囲を眺める、少し興味深げな表情を捉えました。背景の静けさが、寒さの中で揺らめく炎の温かさと、彼の柔らかい表情のコントラストを同時に伝えてくれます。
背景がシンプルだからこそ、被写体の魅力が鮮明に浮かび上がるのです。
またオールドレンズの独特な描写が、写真全体に味わい深い雰囲気を加え、冬の空気感を見事に引き出してくれた瞬間でした。
冬ならではのモノクロ写真の深み
同じ冬のキャンプで撮影した松ぼっくりをモノクロで現像した写真も、冬の表情を感じさせてくれました。色彩をそぎ落とすことで形や質感が強調され、冬の冷たさや静けさそのものが写し取られたように感じられます。モノクロ特有の表現力が、冬の美しさが季節感を強調します。
冬の撮影で気をつけたい機材の取り扱い
冬の撮影で忘れてはならないのが、機材の扱いです。特に、寒い外から暖かい室内に戻った際に発生する結露は要注意。カメラ内部に影響を与えないよう、専用の防湿バッグを使用したり、温度変化をゆっくりと和らげたりする工夫が必要です。
冬の写真撮影は、この季節にしか出会えない工夫や気づきを楽しむ絶好の機会です。
透明感と静けさが広がる冬の空気の中、カメラを手に特別な瞬間を切り取るひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか?
INFORMATION
cizucuオフィシャルクリエイター
家族と思い出を物撮りします
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