日常的に使っているカメラは、慣れ親しんでいるからこそ相棒のような愛着が湧く反面、少しマンネリ化してしまうこともあるでしょう。しかし、視点やアプローチを変えることで、新しい機材を買わずとも、手元のカメラに新たな魅力を見出すことができます。
今回は、手元のカメラの新しい魅力に気づく方法について考察し、掘り下げます。
被写体を変える
いつも撮影している場所や被写体も、視点を変えるだけでまったく違った世界に見えることがあります。例えば、「あえて見えない部分を想像させる写真を撮る」というテーマを設定してみましょう。壁越しの影や、窓の曇りガラス越しに捉えたシルエットなど、日常の中に新たなドラマを発見できます。
また、普段撮らないジャンルに挑戦するのもおすすめです。街並みをよく撮影する人は、自然風景に挑戦してみたり、動物を撮る人は静物やポートレートを試してみるのもいいでしょう。慣れない撮影をすることで、自分の撮影スタイルに気づき、手持ちのカメラで新しい可能性を探ることができます。
設定を見直す
「このカメラではここまでしかできない」と思い込んでいませんか? そんな時は、いつもの設定を見直すことで、今まで試したことのない表現が可能になるかもしれません。シャッタースピードを遅くして流れる光跡を捉えたり、逆に高速シャッターで一瞬を切り取ることで、普段とは異なる動きの表現を楽しむことができます。
ISO感度をあえて高く設定し、ノイズを活かした荒々しい質感を表現するのも興味深い方法です。また、ホワイトバランスを意図的に調整して、写真全体を青やオレンジの色調でまとめると、シーンに詩的な雰囲気が加わります。制約があるカメラだからこそ、意識的に設定を変えて新しい挑戦をしてみましょう。
交流で視点を変える
一人で撮影していると、自分の視点が固定されがちです。他のクリエイターと交流し、お互いの写真を見せ合うことで、まったく異なる発想を得ることができます。「自分では当たり前と思っていたけど、こんなに良い写真だったのか」と驚くことも少なくありません。
cizucuは気軽に参加できる写真のプロジェクトをオンライン、オフラインの両方で開催しています。クリエイターの仲間を見つけ、交流を通じて新しい視点を見つけてみましょう。
手元のカメラは、単なる道具ではなく、あなたの感性や経験とともに成長していくパートナーです。新しい被写体や設定、そして他者の目を借りて、その特性や可能性を見直してみましょう。カメラがあなたに教えてくれる「新しい世界」は、きっと予想以上に魅力的なものになるはずです。