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2024.06.21

オーロラを見せてくれた太陽フレアは火星にも影響した | Release #233

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cover image by soak

みなさん、先月のオーロラは観測できましたか?

日本を含む世界各地でオーロラを生み出した太陽フレアが、火星にも大きな影響を与えていたことが分かりました。NASAの探査車「キュリオシティ」は、ナビゲーションカメラを使って、火星に降り注ぐ太陽からの粒子を撮影しています。

キュリオシティ、過去最大の放射線を火星で観測

キュリオシティは12年前に火星に着陸し、今回の観測でこれまでで最大量の放射線を測定しました。このデータは、将来火星に行く宇宙飛行士たちが浴びる放射線を計算する上で重要です。 

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© NASA | 斑点が観測された放射線

過去1カ月間、火星にまで届く太陽フレアとコロナ質量放出(CME)が連続して発生しました。2024年5月20日には、非常に強力な太陽フレアを観測。光の速度で進むX線やγ線が火星に向けて放たれ、続いてCMEによって荷電粒子も放出されました。

NASAのゴダード宇宙飛行センターは、これらの粒子を追跡しました。その結果、キュリオシティのカメラに白い斑点として写り込みました。

キュリオシティの高エネルギー粒子測定装置(RAD)で測定したところ、火星に到達した放射線量はこれまでで最大の急上昇を記録しました。もしその時に、宇宙飛行士が探査車の隣に立っていたとしたら、胸部レントゲン30回分に相当する放射線量を浴びていたでしょう。

2030年代の火星有人探査に向けて

NASAは2030年代に宇宙飛行士を火星に降り立たせることを計画しています。そのため火星の放射線量は重要なデータとなります。

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© NASA | 斑点が観測された放射線

太陽は11年周期で活動度が変動する星で、現在は第25周期の極大期に近づいています。そのため、太陽黒点、フレア、CMEの増加が見られています。先月の2024年5月10日から12日にかけての太陽嵐は、地球でも電力網の障害や無線通信の途絶を引き起こしました。これにより、世界各地で美しいオーロラを観測することができたのです。

火星でも観測されたオーロラ

火星の周回探査機「メイヴン」は、火星でのオーロラを観測しました。「メイヴン」の宇宙天気主任であるChristina Lee氏は、「これはメイヴンがこれまでに観測してきた中で、最大の太陽高エネルギー粒子イベントでした」と述べています。

「キュリオシティ」と「メイヴン」の観測で、太陽フレアが火星に影響を与えていたことが明らかになりました。これからの宇宙探査がますます楽しみです。

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