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2024.01.07

写真が生んだ天王星と海王星の色の誤解 | Release #50

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長年にわたり、天王星と海王星はそれぞれ異なる色合いの青として認識されてきました。確かに、教科書にも、淡い青色の天王星、深青色の海王星の写真が載っていた記憶があります。しかし、最新の科学的研究により、この認識が覆されるかもしれません。今回は、二つの惑星の色に対する誤解が生まれた原因に迫ります。

ボイジャー2号の写真が生んだ共通認識

1980年代後半、〈ボイジャー2号探査機〉が天王星と海王星の画像を地球に送りました。これらの画像は、天王星を薄い青色、海王星を深い青色として示しました。これらの画像は、世界中の人々にこれらの惑星の色に対する一般的な認識を植え付けました。

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©︎ NASA
1989年に〈ボイジャー2号探査機〉が撮影した海王星の写真

しかし、王立天文学会で公開されたオックスフォード大学の最新の研究によると、海王星の画像は実際の色よりも強調されていました。その理由は地球上の私たちが海王星の雲をよりはっきりと見るために画像が「引き伸ばされて強調」されたためです。海王星の画像は「人工的に青く」されていたと、研究の主任著者であるPatrick Irwin氏は述べています。

Patrick Irwin氏のチームは、ハッブル宇宙望遠鏡と欧州宇宙機関の超大型望遠鏡によって撮影された新しい画像を使用して、研究チームはボイジャー2号の画像を再検討し、以前の画像や認識とは異なり、天王星と海王星が実際には非常に似た青の色合いであることを発見しました。

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©︎ Patrick Irwin
天王星(左)と海王星(右)。海王星に特徴の一つである雲がかかっていることがわかる。

天王星と海王星の色に関する最近の発見は、写真が我々の理解を形成する上での役割を再考させます。写真は、世界を記録するだけでなく、その解釈を形作る認知の手段です。当たり前のイメージが必ずしも正しいとは限らず、イメージをアップデートしていくことの必要性に気づかされる良い事例なのではないでしょうか。

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