皆さんは、「ガラケー」を使用したことがありますか?
1990年代後半に日本で人気を博したガラケーは、2000年代初頭にそのピークを迎えました。そして、2009年以降Androidスマートフォンが普及し始めるまでの間、ガラケーには多くの人々の貴重な思い出が記録されています。しかし、バッテリーの劣化などにより、これらの思い出を直接見返すことが難しくなっています。皆さんの中にも、操作できず、見返すことができなくなったガラケーがタンスに眠っている、という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
おもいでのケータイを再起動する
「おもいでケータイ再起動」プロジェクトは、長期間放置することによって発生した電池パックの過放電により起動や充電ができなくなったケータイを、特殊な装置を使って再び起動させる、KDDI株式会社が実施しているプロジェクト。
操作できずに見返すことができなくなった貴重な思い出の写真を取り出し、印刷することもサポートしています。毎月全国各地で開催し、ケータイの中に眠るたくさんの思い出の写真を甦らせています。
このプロジェクトは、これまでに370回以上開催され、14,000名 以上の方に体験されています。「ケータイに電源入らず、もう諦めていた写真や動画が見られて嬉しい」、「今はもう会えない家族の写真や留守電メッセージが復活できて嬉しい」、「忘れていた思いがよみがえるとともに、もう一度頑張ろうと思った」など、多くの喜びの体験を与えている模様。
3G回線のサービス終了に伴うガラケーの幕引き
ガラケーには、古い回線方式である3G回線を使用している端末が多いです。3G回線はまもなくサービスが終了します。auは2022年3月末、SoftBankは2024年の1月下旬、NTTドコモは2026年3月末に3G回線をサービス終了(停波)する予定であることをアナウンスしています。これにより、ガラケーの時代は完全に終わりを迎えることになります。
過去のテクノロジーを通して学びを得ること
今回の事例のような、テクノロジーの進歩とともに過去のものとなる技術が残したモノゴトに、丁寧な対応とサポートを心掛ける姿勢は、企業の真価が発揮される瞬間ですね。KDDI株式会社が制作しているコンテンツ「KDDIトビラ」では、1988年から始まるケータイの歴史を図鑑として、アーカイブしています。過去のテクノロジーが私たちの生活に与えた影響が可視化され、デジタル時代の急速な進歩の中で、過去のテクノロジーとその文化的な意義を理解し、記録することは、新しいテクノロジーと付き合う上で必要な先見の目を養わせてくれるでしょう。