
Cover photo by littlekiss photography
建築写真は、視覚的な美しさと物語性を伝える芸術の一つです。特に超広角レンズを使用すれば、壮大な建築物の全体像を捉えつつ、対称性や細部の美しさを強調できます。
今回は、超広角レンズの特徴を最大限に活かす撮影テクニックをご紹介します。
超広角レンズで迫力と対称性を強調
超広角レンズは、建物の全体像を収めるために欠かせないツールです。たとえば、高層塔や広大な歴史的建築物を撮影する際、低いアングルから撮影することで、建築の対称性を引き立てることができます。

Photo by YuKoreeda
カメラを床近くに構え、視線が自然と中央へ集まるよう意識して構図を作成すると、視覚的なインパクトが高まります。さらに、歪みを抑えるために慎重なレンズ選びとポジション調整が求められます。
フレームインフレームで視線をコントロール
「フレームインフレーム」とは、建築要素などを活用して視線を誘導する技法です。アーチや窓枠など、建物の一部をフレームとして利用し、視線を被写体の中心へと導きます。
特に、歴史的建造物や教会などの複雑な装飾がある建物では、このテクニックが効果的です。視線誘導だけでなく、被写体の奥行きや立体感を強調することができ、構図に深みが生まれます。
光と露出のバランスで表現力を高める
建築写真では、光の使い方が写真の印象を大きく左右します。特に明暗差の激しいシーンでは、空の白飛びを防ぎつつ建物のディテールをしっかりと表現するために、露出設定が重要です。

Photo by ek_photofeeling
朝夕の低い太陽光を利用すると、建築の陰影や質感をドラマチックに強調できます。また、逆光を活かしてシルエット効果を狙うのも、建築物の存在感を引き立てる方法の一つです。