写真を愛するクリエイターたちが語る、カメラとそのストーリー。「愛機」という存在には、それぞれの人生観や価値観が映し出されます。今回の連載では、〈PENTAX K-1 Mark II〉を愛用するTsubasa Mfgさんが登場。
都市風景を撮影するとき、事前にテーマや目標を決めずに街を歩くことで、予測できない発見と出逢うことができます。Tsubasa Mfgさんが偶然の美しさを捉えるための撮影スタイルや心構え、都市風景の魅力を引き出すための事前準備のポイントを語ります。
〈PENTAX K-1 Mark II〉基本情報
有効約3,640万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを搭載し、アクセラレーターユニットとPRIME IV画像処理エンジンの組み合わせにより、最高ISO 819200の高感度撮影を実現しています。
また、Pixel Shift Resolution System IIを搭載し、手持ち撮影でも高精細な画像を得ることが可能です。5軸手ブレ補正機構「SR II」により、さまざまなシーンで安定した撮影が可能です。さらに、明るく広い視野を提供する光学ファインダーや、フレキシブルチルト式液晶モニターなど、撮影者の利便性を高める機能も備えています。
偶然
都市風景を撮影するとき、「今日はこれを撮りに行こう」とか「あのシーンを撮ろう」という目的、目標は持たないようにしている。出発の直前に、向かうエリアを大雑把に決めるくらい。気が向くままに歩いて、そこで偶然出逢った光景にシャッターを切っている。
目をギラギラさせて、何か特別なことはないかと探しているわけではない。むしろ、「探そうとしていない」といえる。今回は、都市風景撮影の中で、どのような方法で被写体と出逢っているのかを語ろうと思う。
「数打ちゃ当たる」の原理
毎日欠かさず、都市を歩きながら撮影している。普段はだいたい1時間半から2時間くらいで、長いときは3時間くらい。
これだけの時間を費やしているため、1日1回くらいは「いい感じ」と思えるものと出逢える。至極単純ではあるが「数打ちゃ当たる」の原理で作品ができている。
こころをニュートラルに
キョロキョロして被写体を探すことは大切だが、「よいシーンを見つけてやる」と気合いをいれてしまうと、こころは無意識に焦ってしまう。焦ると視野が狭くなり、せっかくのよいシーンを見逃すこともある。
フツーに歩きながら、まち中の様子を俯瞰し、入ってくる情報を素直に受け入れることだ。こころをニュートラルにしておけば、ちょっとした変化を捉えることができる。
にんげんウォッチング
都市風景の中で「にんげん」はよいモチーフになってくれる。歩く速さや顔の表情、視線の先、服装などをウォッチングし、次の行動を想定してカメラを構えてみる。期待どおりの構図で都市風景のモチーフになっていただけるかもしれない。
チャンスを逃さない準備
まち中でのシャッターチャンスは自分でコントロールできないものも多い。チャンスを逃さないための準備としては、すぐに構えられるようカメラのグリップを握っておくこと、カメラをスリープさせないこと、今いる場所にあわせて常に露出(絞りとシャッタースピード)を切り替えておくことだろう。
INFORMATION
cizucu認定ライター
東京の都市風景を追いかけています
cizucu:Tsubasa Mfg
つばさ製作所
@tsubasa_mfg