
©︎ SONY | 大野隼男
2021年にプロフェッショナル向けのフラッグシップモデルとして登場した「Sony α1」。その後継機として新たにリリースされる「α1 II」は、オリジナルの優れた基盤を受け継ぎながら、いくつかの改良を加えています。
果たしてこの新モデルは本当に買い替える価値があるのか?「α1」と「α1 II」の違いを比較します。

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操作性とデザインの改良
「α1 II」は、ユーザーの操作体験を大幅に向上させるため、デザインが一新されています。グリップが深くなり、より安定したホールド感を提供。ボタン配置も見直され、特に前面に追加された「カスタムボタン(C5)」が更なる利便性向上を実現しています。

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さらに、4軸チルト式LCDはあらゆる角度での撮影を可能にし、オリジナルのα1の「上下のみのチルト」に比べて圧倒的に利便性が向上しています。また、電子ビューファインダー(EVF)は240fpsに対応し、より滑らかな表示が実現。これは特に動体撮影でその効果を発揮します。
AI搭載の進化したオートフォーカス
「α1 II」では、AIプロセッサーを新たに搭載し、被写体検出性能が飛躍的に進化しました。オリジナルの「α1」でも優れた759点のハイブリッドAFシステムを搭載していましたが、新モデルでは動物や人間だけでなく、昆虫や車両などの新たな被写体検出モードを追加。

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また、自動検出モードにより、被写体の種類を手動で選ぶ必要がなくなり、操作がさらにシンプルになりました。動物の瞳検出性能が30%、鳥の瞳検出が50%向上するなど、実際の撮影現場での性能向上が顕著です。
パフォーマンスは堅実な進化
「α1 II」のイメージセンサーとプロセッサーは、オリジナルの「α1」と同じ50.1メガピクセルのExmor RS CMOSとBIONZ XRを使用しており、画質自体に大きな変化はありません。しかし、新機能として「プリキャプチャー」が追加され、シャッターを押す前の1秒間の映像を記録可能に。
これにより、予測が難しいスポーツや野生動物の撮影で決定的瞬間を逃しにくくなりました。また、連写速度ブーストを割り当てたカスタムボタンで連写速度を瞬時に切り替えることが可能となり、撮影の柔軟性が向上しています。

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どちらを選ぶべきか?
「α1 II」Iは、オリジナルの「α1」の基盤を引き継ぎながら、操作性やオートフォーカス、連写性能において確実な進化を遂げています。ただし、イメージセンサーや基本的な撮影性能は大きく変わらないため、買い替えの価値はユーザーのニーズ次第です。
特に、動体撮影や操作性を重視する方には「α1 II」が魅力的ですが、静止画撮影が主な用途である場合、オリジナルの「α1」でも十分に満足できるでしょう。