雲と太陽が作り出す神秘的な現象は、日常の風景に隠れた驚きや感動をもたらしてくれます。たとえ空が雲に覆われていても、太陽が出る瞬間を待ちながら空を見上げてみませんか?
今回は、雲と太陽が織りなす自然現象をご紹介します。ロマンチックな瞬間を切り取るための知識と撮影ヒントを手に、被写体の幅を広げていきましょう。
ハロ(日暈)
ハロ(日暈)は太陽や月の周りに現れる円状の光の輪で、氷の結晶が光を屈折させることで発生します。低気圧や前線が近づき薄い雲ができる際にできるため、雨の予兆ともされています。
ハロを撮影する際は、広角レンズを使い、全体を画角に収めると迫力のある写真が撮れます。また、逆光をうまく活用し、周囲の風景をシルエットにすると、神秘的な雰囲気を演出できます。
彩雲
彩雲は、雲が虹のように色づく現象で、太陽光が小さな水滴や氷の粒で屈折されることで生まれます。太陽の反対側に現れる虹に対して、彩雲は太陽と同じ側に現れます。
この現象を捉えるには、望遠レンズで雲に焦点を合わせ、細かな色の変化を引き出すことが大切です。また、露出を少し下げて撮影することで、鮮やかな色彩が際立ち、より幻想的な仕上がりになります。天気には関係なく現れるとされており、タイミングを見逃さないためにも、空の変化に常に目を配ることが大切です。
天使のはしご(薄明光線)
天使のはしごは、雲の隙間から太陽の光が放射状に差し込む現象で、静けさと力強さを併せ持つ風景を生み出します。分厚い雲と澄んだ空気、雲の切れ間といったさまざまな条件が揃わないと見られないので、出会ったときには確実にカメラに収めたい現象です。
撮影の際は、光が降り注ぐシーンをドラマチックに表現するために、ローアングルからのアプローチが効果的。また、雲の隙間の光と地上の影とのコントラストを活かして、深みのある作品に仕上げることができます。