はじめに
『Illuminate Yourself』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。
今回のテーマは、順光でも、斜光でもなく、撮影者が真正面から光と向き合う、〈逆光〉でした。
明瞭な光は、自己や他者の鬱々とした影をも照らしあげ、全てを白日のもとにさらします。 一方で、光の慈悲が自他の存在認識をより強固にさせてくれることもあります。撮影者は対象を撮っているようで自分を撮っているかのようです。
それでは、応募作品と受賞作品をご紹介いたします。
応募作品紹介
もーちょ
光に揺れるすすき
📷 SONY | ILCE-7M4
cizucu編集部
光に照らされるすすきを逆光で捉えた一枚。フレアも相まって、穂の柔らかさだけでなく、その場の雰囲気のあたたかさ、撮影者の優しい眼差しまで伝わってきます。秋の入り口に立つ心地よさが逆光によってうまく表現されていますね。
Tsubasa Mfg
朝日が窓に映り込む
📷 PENTAX K-1 Mark II
cizucu編集部
窓に映り込んだ朝日を捉えた一枚。一度反射した陽の光は、無機物に優しく包まれ、まるでそこに最初からあった光のような顔をして、私たちを照らします。いや、むしろ無機物に陽の光が命を吹き込んでいるのかもしれませんね。
S.Yasu Photo
海を照らし、自分をも照らし、防波堤は遮るーー
📷 PENTAX K-1 Mark II
cizucu編集部
海に沈む夕日を捉えた一枚。ある意味最もど直球な逆光表現と言えるかもしれません。朽ちた防波堤が部分的に光を遮っていますが、あの防波堤の上に立った時に見える景色は一体どんな風なのか…想像が膨らむ作品です。
akdl
6ヶ月の異国の地での生活も終わりが近づいていた日。友達や思い出がたくさん詰まった場所を離れるのはやはり寂しくて。でもこの場所での出会いや思い出は私の宝物で、これからも続いていく、大好きになっていく。きっと。
📷 SONY | ILCE-6300
cizucu編集部
建物の床に反射する光を捉えた一枚。写真が撮られた背景にある撮影者の気持ちを知ると、この地で得たあらゆる経験が、撮影者の希望の光となることを祈りたくなりました。切なくも喜ばしい気持ちが、逆光で見事に表現されている作品です。
受賞作品
Loui
ミストの美味しさに気づいた少年
📷 SONY | ILCE-7M2
cizucu編集部
ミストに近づくこどもと、そこに差し込む光を捉えた一枚。キャプションには「ミストのおいしさに気づいた少年」と記載されており、思わずクスッと笑ってしまいました。きっと逆光じゃなければ、このような表現には辿り着かなかったかもしれません。世紀の発見をした少年が、舞台上でスポットライトを浴びているような…光の演出をユーモラスに切り取った素晴らしい作品でした。
最後に
いかがでしたでしょうか。
「逆光」が、ただカメラに入り込む強い光以上のものであることがわかるコンテストになりました。光が私たちの過去と未来を照らし、物語を演出し、希望を与えるような存在なのです。これから逆光を見つけた際は、きっと何かが起こることを期待してしまいますね。
それでは次のコンテストでお会いしましょう!