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2024.09.20

アメリカの物語を詩的に写し出す写真家、アレック・ソス。代官山 蔦屋書店でサイン会 | #Release #313

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©︎ Alec Soth | Advice for Young Artists

アレック・ソス(Alec Soth)は、アメリカ中西部の風景や人々を詩的に捉える現代写真家であり、国際的写真家集団「マグナム・フォト」の会員としても活躍しています。彼は2004年に同団体に参加し、2008年に正会員となりました。

ソスの写真は、ドキュメンタリー的な手法に詩的な静謐さを加え、見る者に深い感情を呼び起こす作品が特徴です。代表作『Sleeping by the Mississippi』や『Niagara』は、アメリカの風景とそこで生きる人々の内面的な物語を映し出しています。今回はソスの代表作と、2024年10月7日に代官山にある蔦屋書店で行われるサイン会をご紹介します。

詩的なアプローチ『Sleeping by the Mississippi』

ソスが国際的に注目を浴びた作品『Sleeping by the Mississippi(2004)』では、アメリカ中西部を舞台に、ミシシッピ川沿いを旅しながら撮影した写真が収められています。このシリーズは、単なる風景やポートレートを超え、被写体の夢や孤独を映し出すことで、多くの人々に共感を与えました。

彼は「詩と写真は断片的な表現だが、見る者の想像力を刺激する点で共通している」と述べており、その詩的な手法が作品の魅力となっています。

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©︎ Alec Soth | Sleeping by the Mississippi

アメリカンドリームの光と影『Niagara』

続く代表作として挙げられる『Niagara(2006)』では、ナイアガラの滝という象徴的な背景と、そこで生きる人々の夢や失敗を描き出しています。ナイアガラはハネムーンや結婚の象徴として知られる一方で、ソスはその場所に漂う不安や失望をテーマにしています。

このシリーズでは、モーテルの室内や、疲れ果てた表情のカップルが特に印象的で、アメリカンドリームの崩壊を象徴するような視点が感じられます。

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©︎ Alec Soth | Niagara

孤独の探求『Broken Manual』とその後

『Broken Manual(2010)』は、社会から逃避し、隠遁生活を選んだ人々を追ったシリーズです。ソスは、その後も社会から離れた場所で孤独に生きる人々の生活に焦点を当て、彼らの孤独と存在の意味を写真を通じて探求しています。

これらの作品は、現代の人間が抱える内面の葛藤や、社会との断絶を象徴しています。こうしたテーマを扱いながらも、ソスは常に個々の人間の物語にフォーカスし、その詩的な描写が観る者の心に深く残ります。

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©︎ Alec Soth | Broken Manual

サイン会と東京都写真美術館での個展情報

そんなソスのサイン会が、2024年10月7日(月)に代官山 蔦屋書店で開催されます。時間は19時30分から21時00分。このイベントは、英国MACK社から刊行された最新作品集『ADVICE FOR YOUNG ARTISTS』のリリースを記念したもので、10月1日から17日まで行われるMACK出版書籍フェアの一環として行われます。

また、10月10日より東京都写真美術館で始まる個展「アレック・ソス 部屋についての部屋」も開催予定となっています。

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