この画像に見覚えはありませんか?
最近、「All Eyes on Rafah」というスローガンを掲げたAI画像がインスタグラムで非常にバイラルであり、ソーシャルメディアで本物の写真を共有する呼びかけが広がっています。この現象は、AI生成の画像が初めて大規模なキャンペーンで用いられたことを示しています。
なぜAI画像が問題視されるのか?
「All Eyes on Rafah」(みんなの目がラファを見ている)とは、ガザ地区のラファに注目を集めるスローガンで、住民が直面する困難に対する国際的な関心を喚起し、人道的支援や政治的解決を求める意味で使用されています。
元の「All Eyes on Rafah」画像が批判を受けた背景には、その画像がAIで生成されたという点にあります。
「Human Rights Watch Group」のデボラ・ブラウンは、戦争の現実を示す実際の画像があるにもかかわらず、なぜ偽の画像が4000万回以上も共有されたのか疑問を呈しています。「人々は意識を高めるために非常にグラフィックで不安を感じさせるコンテンツを投稿しています。それが検閲される一方で、合成メディアがバイラルになるのは不安です」とブラウンは語っています。
新しい「All Eyes on Rafah」の写真
現在、スローガンと共に投稿されている画像は、爆撃で亡くなった遺体が包まれた実際の写真です。この新しい画像は、既に200万回近く共有されています。スウェーデンの気候活動家グレタ・トゥンベリによって共有されたこの写真には、「私たちは皆AI画像を共有しました。今度は本物の画像を共有しましょう」というテキストが追加されています。
「All Eyes on Rafah」の始まり
元のAI生成画像は4700万回以上共有されています。「All Eyes on Rafah」というフレーズは、2月にイスラエル軍のラファ攻撃に対して警告していた世界保健機関(WHO)のリチャード・ピーパーコーン代表が記者に語った言葉です。BBCによると、このAI画像はマレーシアの若い男の子の小さなインスタグラムアカウントで最初に投稿されました。
明らかになったAI画像の問題点
この画像はリアルであり、実際の行動に結びつかないという批判を受けました。一部の人々はこれを「スラックティビズム」と呼んでいます。ピューリッツァー賞受賞の写真家ダニエル・エッターは、この画像がガザとは全く異なるとインスタグラムで非難しました。「ガザは雪に覆われた山々がある、崩壊した建物と埋もれた遺体、焼けたテントやゴミ、人間の遺体です。一度でも嗅いだことがあれば、その匂いを永遠に覚えているでしょう。」
リアルな写真の力
今回のようなキャンペーンにおいて、SNSでリアルの写真が共有されることは、これまでもよくありました。しかし、AI画像が用いられたことは初めてのことです。
リアルな写真は、その現実性と共感を呼ぶ力で多くの人々に強い影響を与えます。AI画像の利用が増える中で、私たちは情報の信頼性とその影響について常に意識を持つことが重要です。
cizucuでは、他にも最新情報を発信しています。アプリを登録して毎日配信されるマガジンをチェックしてみてください。