デジタルカメラの力を使って確実に写真が残せる現代において、フィルムカメラの不確実性が新たな魅力を放っています。そんなフィルムカメラの魅力にさらなるエッセンスを加える裏技を紹介します。
フィルムに新しい光を重ねる
今回はカメラの裏蓋をそっと開けてあえて光を照す感光写真について紹介します。ただし、この技術には決められたノウハウが存在するわけではありません。挑戦する場合は、それぞれで責任をもって、充分に注意してださい。かなりリスキーな点も多いので、新しい表現に挑戦してみたいという方向けに、特別にご紹介していきたいと思います。
「間違い」から生まれる美学
感光写真の可能性に気づいたのは、フィルム操作に不慣れだったときの出来事。
感光写真は、基本的に「失敗作」と見なされます。。しかし、フィルムに意図的に光を浴びせることで、予測不可能な美が生まれるとも言われます。挑戦してみたい方には、比較的に感度の低い〈Kodak GOLD 200〉や〈Ektar 100〉などのフィルムで試すことをおすすめします。
数ミリ単位の隙間から光を取り込む
感光写真の撮影では、ほんの一瞬だけ光を入れることが重要です。
裏蓋をミリ単位で開けることで、写真に神秘的なエフェクトが加わり、通常の撮影では得られない深みをもたらします。しかし、間違っても裏蓋を一気に開けないようにしてください。一瞬でフィルムが感光し、ただの「失敗作」になるかもしれません。
予測がつかない表現へのいざない
適している撮影シーンとしては、雨の日の紫陽花や霧の中のポートレート、霧が立ち込める朝のポートレートなどが挙げられます。神秘的な雰囲気を研ぎ澄ませたいときにおすすめです。感光によって生まれる半透明のシルエットが、見る者に深い印象を与えるでしょう。
フィルムカメラの感光写真は、予測不可能な要素が魅力の一つです。完璧な制御から手を離し、一瞬の光と影の間に広がる無限の可能性を探ることは、創造性を刺激します。
しかし、繰り返しになりますが、感光の表現はかなりリスキーな点も多いので、大事したい思い出を撮影しているフィルムロールで試すことはやめてくださいね。失敗することを前提に撮影したら、思わぬ大成功につながる可能性があるかもしれません。