世界中のクリエーターの感性や思考を深掘りする『ISSUE』。新たなインスピレーションのきっかけに。『ISSUE #37』では、日常に潜む発見や穏やかさ日々をフィーチャーするHubアカウント「Art of Japan」を立ち上げたDainosukeさんにストーリーに迫ります。
「Art of Japan」はプロとアマチュアが共に楽しめる、心温まる写真をフィーチャーするFeature Hub アカウント です。Feature Hubとは、特定のテーマにあった投稿をSNS(インスタグラム)上で募り、その中から素晴らしい写真を取り上げて紹介するアカウントを意味します。立ち上げ人のDainosukeさんは「Art of Japan」を通じて、誰でも写真を楽しめるオープンな写真コミュニティをつくることを目指しています。
スマホで見つけた写真愛
Dainosukeさんは10年前、〈iPhone〉で娘たちの写真を撮ることから写真を始めました。
「娘を携帯で撮って、それをインスタに投稿し始めたんです。最初はただの趣味でしたが、初期のインスタグラム上の反応が楽しくて」と振り返ります。
その後、写真にのめり込み始めたDainosukeさんは、カメラを購入することを検討し始めます。
「携帯よりもカメラの方がいい写真が撮れるかと思って、カメラを買ったんです」と話すDainosukeさん。しかし、当時の感覚を今思えば、無知のまま勢いでカメラを始めたと振り返ります。今ほど情報もそれほど多くなかった頃の話です。
「他のクリエイターの写真を見た上で、どうやったらこんなにうまく撮れるのか、いろいろ聞いたりして学びました」とプラットフォームを活用しながら、写真にのめり込むようになったと話します。
日々の丁寧な努力と継続が生んだ人気アカウント
そんなDainosukeさんは6~7年前に「Art of Japan」を立ち上げました。現在「Art of Japan」は26.7万人以上のフォロワーを持つ国内でもトップクラスの人気Hubアカウントです。「グループアカウントが解散して、それを引き継ぐ形で新しくアカウントを作成した」そうです。
アカウントを開設してからは、日々投稿される膨大な数の写真から、特に印象的なものを選んでフィーチャーする作業を続けました。
「初期の頃は毎日2枚ずつフィーチャーしました。たった2枚ですが、日によっては何時間もかけて写真を選び、コメントを付けて投稿することもありました。とても楽しくて、フォロワーからの反応も励みになりました」と振り返ります。
「Art of Japan」は今でこそ数多くのフォロワーがいますが、そこに至るまでの道のりは、日々のフィーチャーを丁寧に続けること、そして長い期間続けていくという、至ってシンプルな原則に基づいています。
コロナとアルゴリズムの変更、困難を乗り越えて届けたいもの
コロナ禍で一時的に活動を休止したこともありました。
「コロナで遠出ができず撮影が難しくなると、投稿数も減り、フィーチャーできる写真が少ないためアカウントの活動を止めた時期もありました」と振り返ります。
約半年間の休止期間を経て、再開後もフォロワーの支持を受けて活動を続けています。「休止中にもフォロワーからのメッセージが多く寄せられ、再開後は以前よりも一層応援してくれるようになりました。」
近日に行われた、インスタグラムのアルゴリズム変更も、Dainosukeさんにとっては大きな課題でした。
「アルゴリズムが変わり、投稿の見られ方が大きく変わりました。いいねの数も減少しましたが、それでもフォロワーとの交流を続けることで、徐々に元のペースを取り戻しました」
「今後はもっと写真をリアルで楽しむ体験も共有したい」という想いとのこと。今後はフォトコンテストや季節ごとの特別コンテンツを企画しています。「もっとリアルなイベント、例えば展示会もやってみたいですね」とDainosukeさんは語ります。
日常をフィーチャーする、それが「Art of Japan」のらしさ
「Art of Japan」らしさとは、風景写真に限らず人々の日常や生活の一瞬を捉えることです。
「人々の生活が感じられる写真を選ぶようにしています。おそらく他のHUBアカウントよりもフィーチャーの基準がラフなのではないでしょうか」とDainosukeさんは話します。携帯で撮影した写真でも、気に入った写真はフィーチャーすることもあるそうです。
ある日、こんな出来事があったそうです。
「とある主婦の方が撮った、子供が公園で遊んでいる写真をフィーチャーしたとき、その方から『日常の一コマを大切にしてくれて嬉しい』とメッセージを頂きました。小さな反応ですが、とてもやりがいを感じた瞬間でした」
このように、フォロワーとの交流や反応がDainosukeさんにとってのモチベーションになっています。
「撮影場所だけでなく、その場で生きる人々の息づかいが感じられる写真を選ぶことで、フォロワーにとっても親しみやすいアカウントになっていると思います。私自身が〈iPhone〉で写真を始めたように、気負わず気楽にArt of Japanのタグをつけて投稿してほしい」と語ります。
「Art of Japan」という名前からは、日常からかけ離れた印象を受けるかもしれませんが、それは誤解です。「Art of Japan」は、誰よりも日常に寄り添ったアカウントとして、小さなモチベーションを大切にしています。誰もが日常で見つけられる風景をアートとして心地よく楽しめるように活動しています。これからも「Art of Japan」とDainosukeさんの活動をずっと見届けていきたいですね。
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