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2024.03.31

魚のための水中カメラ オランダの運河で始まったエコプロジェクト | Release #95

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cover image by Giostudio

水中のカメラで魚の通行をサポート

オランダ、ユトレヒトの運河に設置された水中ドアベルカメラが、世界中の視聴者を魅了しています。このシステムは魚が運河の閉じられたドアを通過する瞬間をライブで映し出します。

このユニークなカメラシステムは、アメリカやニュージーランドを含む世界各地からの人々に愛されています。彼らは、魚が通過を必要とするタイミングを見計らって、ライブストリームを熱心に監視しています。

水中ドアベルがつなぐ魚の世界

水中ドアベルプロジェクトは2020年に始まりました。

きっかけはオランダの当局が、ユトレヒトの運河システムへの入口である水門の外で魚が集まっているのを発見したことです。産卵のために上流へと移動しようとする魚たちは、春には水門が閉ざされるために通過できていませんでした。

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© visdeurbel | 実際のライブ映像に映った魚、この時、視聴者はドアベルを押して担当者に連絡をする。

当局は魚のための高額な建築物を設置する代わりに、水中カメラを設置しました。カメラはライブで映像を放送し、魚が画面に現れたら視聴者がドアベルを押すことで、担当者が水門を開けるように仕組み化されています。

視聴者からの熱い支持

〈The fish doorbell 〉のウェブサイトは開設以来、100万人以上の訪問者を集めました。しかし同時にライブ映像へ接続できるのは950人までです。もし950人の枠が埋まった場合はYouTubeでのライブストリームを通じて視聴することができます。

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© visdeurbel | 魚じゃない生き物も時々映り込む。

地元コミュニティの反応

プロジェクトがはじまった当初は地元の人々もこのプロジェクトを面白おかしいと疑問視していましたが、実際に多くの魚が助けられる姿を見て、プロジェクトの重要性や意義を認めるようになりました。

プロジェクトの創始者マーク・ヴァン・ヘイケルムは、1年間で6,300以上の魚が通過する手助けをしたと語っています。

「ライブ映像をアメリカやオーストラリア、ニュージーランドからの人々が、オランダの運河で魚を助けるというのは、本当に不思議な感覚です。今、私はこの上ない喜びを感じています」とヴァン・ヘイケルムさんは話します。

このプロジェクトは一見不思議に見られますが、普段は目にすることのない生命や生態系に目を向ける機会を提供しています。オランダの小さな運河から始まった取り組みが世界にインスピレーションを与えています。

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