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2023.08.28

映像で切り拓く挑戦の舞台、世界をとる|映像作家・写真家 Tomoki Kawa | ISSUE #13

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世界中のクリエイターの感性や思考を深掘りする『ISSUE』。新たなインスピレーションのきっかけに。『ISSUE #13』では、カリフォルニア州・ロサンゼルスを舞台に、世界へ挑戦している映像作家・写真家のTomoki kawaを紹介します。

飛び込んだ、ロサンゼルス

今回紹介したいのは、国際舞台での活躍を夢に見て、ロサンゼルスのアートシーンに挑む若きアーティストの物語。インタビュー中、淡々として話すtomokiさんの様子。しかし、その言葉には、野心と情熱に満ちたまっすぐな気持ちがのせられていた。
日本と台湾のハーフというバックグラウンドから体感していた言語の重要性。彼は英語しか通用しない環境の中で、言語を磨き、違う言葉から生まれる新たな視点に触れるため、2023年の1月、ロサンゼルスへ旅立った。

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©︎ Tomoki Kawa

夢を抱きロサンゼルスへ

ここ数年、世界のルールを変えてしまったコロナウィルス。日本では大阪芸術大学映像学科を卒業し、フリーの映像作家として主にミュージックビデオ(以下「MV」と表記)の撮影に関わるなどの活躍をされていた。しかし、コロナの影響で、最初は仕事が半減。しかし、落ち込むのではなく、新たなチャンスを作り、コロナ禍の困難を乗り越え、幅広いスキルを磨くと覚悟した。
海外のクリエイティビティに憧れ、自分の成長を促す環境を探したとき、ふと思い浮かんだロサンゼルス。環境を変えて、行動し続ければ、何でもどうにでもなるというストリート精神を基に渡米を決意した。

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©︎ Tomoki Kawa
監督をしたMV WANG GUNG BAND『Holiday』

異文化:カジュアルな関係とスピード感

tomokiさんにとって、ロサンゼルスは縁もゆかりもない土地。渡航はしたものの、どこから、何から始めるか悩まされた。しかし、やるべきことは、日本でやってきたことと大きく変わらず。まずは、パーティやクラブに出向き、街中でカッコいいファッションの人を見つけると声をかけ、ポートフォリオを見てもらう関係性をつくる。とてもカジュアルなスタートだった。

文化的に個性を尊重し、基本的にはポジティブな評価を伝え合うことが多いため、カジュアルな出会いから仕事につながるスピードは日本にいた頃よりも早いと振り返る。自己発信が人間関係をつくる鍵となり、存在とスキルを適切にアピールする術が自然と身に付いた。そうしたロサンゼルスの文化と制作環境が、心地よく理想の場所であるように今も感じられる。

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©︎ Tomoki Kawa

写真の原体験:映像の編集ソフトがないから、撮れるのは写真だった。

ここで、tomokiさんが映像や写真の道を志すようになった原体験に触れてみよう。
映像作家を志すようになったきっかけは、あるMVを見て、カッコいいと思った衝動から。当時はカメラのこともよくわからないまま、ただ映像を作りたいという気持ちで芸大の映像学科に進学した。

大学の実技に備えて、真っ先に購入した映像用のカメラ。しかし、最初は映像の編集ソフトもなく、パソコンもなかった。映像が作れる環境になかった中で「シャッターを押したら、撮れたのは映像ではなく写真だった。」これが彼の写真体験の始まりだ。

国境を跨ぐ作家になるために

将来は、国境を越えて様々なエージェントとの契約し、クリエイティブなプロジェクトに携わる映像作家になることを目標にしている。あくまで「映像作家」というアイデンティティはぶらさず、同じ視覚芸術というカテゴリーにおいて写真家的な視点を交えることはあっても、tomokiさんの情熱は映像に注いでいたいとのこと。

「これから考え方が変わるかもしれないけど、今の気持ちでは5年はロサンゼルスにいたい」と話すtomokiさん。異文化の環境を活かし、そして異文化の中に溶け込み、境界を渡り歩く映像作家になることを目指している。

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©︎ Tomoki Kawa

ロサンゼルスの同世代アーティスト

ロサンゼルスでは多様なアーティストに出会った。みんなが個々の目標に向かって情熱を注いでいる。スタイリスト、シンガー、モデル、もちろんフォトグラファーや写真家もいる。彼ら彼女らの姿勢から刺激を受けつつ、彼も自身の目標へ向かって歩みを進めています。
「一部の人たちはは多岐に渡り仕事をする人を中途半端と批判するかもしれないけど、どちらかといえばエネルギーが溢れ出した結果そうなったという印象を受ける。」とにかく、みんな絶対的な目標がある。また、今の自分たちは上の世代からは若いと言われることもあるけど、自分よりもっと若くして挑戦している人も多くいることにロサンゼルスで気づいたそうだ。

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©︎ Tomoki Kawa
ロサンゼルスで開催されているアートイベントの様子

最後に

映像作家、クリエイターになる方法、クリエイターとして成功したいとき、そのやり方がわかっているようで、結局のところはわかっていないという原点にたどり着く。ロサンゼルスに来て肌で学んだ「Face to Face」でぶつかることの重要性を話すtomokiさん。わからないけど、まずはぶつかることが遠回りのようで、一番近道なのだと、彼のようにまっすぐなクリエイターとの出会いで気付くことができました。

INFORMATION

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Tomoki Kawa

映像作家 / 写真家
高校3年生の頃に映像に興味を持ち大阪芸術大学に入学、在学中にフィルムの映像を学びなが独学で写真とデジタル映像を。2019年にはBeatBoxerのSO-SOのMVを150万回再生を突破する。現在はLAに留学しながら、映像作家、写真家として活動している。

Instagram:https://www.instagram.com/t.k.rad/
Photofolio:https://tomokikawa.myportfolio.com/

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