ドローン撮影は、これまでにない視点からの映像表現を可能にし、写真家や映像制作者に新たな創造の機会をもたらしています。しかし、米国では中国製ドローンの安全保障上の懸念が高まり、規制強化の動きが加速しています。
今回は、ドローン規制の最新動向とその影響、クリエイティブ表現の未来について考察します。
ドローン技術の進化と写真表現の革新
ドローンの進化は目覚ましく、特に〈DJI〉の「Mini 3 Pro」などは、4K映像、ジンバル安定化技術、スマートトラッキング機能を搭載し、手軽にプロフェッショナルな空撮が可能です。
空撮は風景撮影だけでなく、イベント記録や映画制作にも活用され、映像表現の幅を劇的に広げました。特に初心者でもスマートフォンと連動して直感的に操作できるため、クリエイター層に広く受け入れられています。
米国で進行中のドローン規制強化
近年、米国では中国製ドローンのデータ管理リスクが指摘され、規制強化の動きが顕著になっています。2024年6月には米下院が「中国共産党ドローン対策法」を可決し、〈DJI〉をFCCのカバードリストに追加する可能性が浮上しています。
また、ニューヨーク州とニュージャージー州では、FAAが「特別な安全保障上の理由」で一時的なドローン飛行禁止措置を導入。これは、正体不明の大型ドローンの目撃が原因とされています。商業目的の操縦者には許可申請の道がありますが、一般の趣味目的の飛行は禁止されました。
規制の中で創造性を活かすために
規制強化が進む中でも、創造性を制限しない方法は存在します。米国製ドローンへのシフトや、マストカメラ(ポールカメラ)を使用した地上からの高所撮影、編集ソフトでのバーチャルカメラワークなどが代替手段として注目されています。
最新の法規制情報を確認しつつ、ルールに準拠した撮影方法を模索する必要があります。規制が進む中でも、表現の自由と安全性のバランスを取りながら、技術革新を活かしていくことが求められています。