写真を愛するクリエイターたちが語る、カメラとそのストーリー。「愛機」という存在には、それぞれの人生観や価値観が映し出されます。今回の連載では、〈GFX 50S〉を愛用する好 | Kodai Yamashitaさんが登場。
街に散らばるゴミ。それは街の縮図であり、何気ない日常の象徴でもあります。誰も気に留めないような道端の一片を、中判デジタルカメラ〈GFX 50S〉で写すことで、街の色や空気感を切り取る。それは写真の自己表現として、また愛すべき被写体との対話でもあります。
〈GFX 50S〉基本情報
有効画素数約5140万画素の43.8mm×32.9mmサイズの大型CMOSセンサー「Gフォーマット」を搭載した中判ミラーレスデジタルカメラです。この大型センサーにより、圧倒的な解像力と豊かな階調表現を実現しています。
画像処理エンジン「X-Processor Pro」と、80年以上にわたり培われた富士フイルム独自の色再現技術を組み合わせることで、自然で美しい色彩表現が可能です。また、専用設計の「Gマウント」を採用し、フジノンGFレンズとの組み合わせにより、センサー性能を最大限に引き出す高精細な描写を実現しています。 ボディは軽量かつ堅牢で、撮影スタイルに応じて取り外し可能な電子ビューファインダーやチルト式タッチパネル液晶モニターを備え、直感的な操作性を提供します。
画になるゴミ
私が普段一番写す被写体は、街に落ちているゴミです。カメラを手にして、写真を撮り始めた頃から画になるゴミを撮っていました。
今メインで使用しているカメラの〈GFX 50S〉を手にしてから、今まで以上に、ゴミの撮影にのめり込むようになりました。
街の色
ゴミを写すことは街を写す事だと思っています。当たり前のようにゴミがたくさん落ちている街、綺麗に掃除されている街、駅前にファーストフード店がある街。
当然と言えば当然ですが、そこに落ちているゴミはその近くで発生したものがほとんどです。自ずと街の色がよく出るものです。
自分にとっての愛
そんなゴミを撮るには中判デジタルカメラはきっとオーバースペックです。でもそんなオーバースペックなカメラでゴミを写し続けることが自分にとっての愛の一つです。
手にした機材を愛し、愛すべく街を写す。
決してやりすぎではないと思っています。
写したいもの
約5,000万画素の中判デジタルカメラ、そしてオールドレンズ。便利な組み合わせでも、どこにでも持っていける組み合わせでもありません。
日々ゴミを写すのであれば、スペック的には小型軽量なコンデジでもいいんじゃないかと、私も思います。
でも中判特有の空気感、絞り込んだ際の緻密さ、これの思いを全力で道端のゴミにぶつけています。
ピンと貼ったゴミ袋に透けて見えるその中身、寄り添うように並ぶ酒瓶、どこから飛んできたのか分からないビニール傘、置き忘れられた軍手、まだまだ写したいゴミがたくさんあります。
対話
ただオートで写すだけではなく、絞りを決め、よく狙いフォーカスを合わせて、睨みを利かしシャッターを切る。このプロセスを通じてゴミと対話する。今、この組み合わせが自分にとって、そのプロセスを一番楽しむことができる組み合わせだと思っています。
誰かの何のためになるわけではないかもしれない。どこまで行っても写真、撮影は自己満足の塊。
それでも私はこのカメラでゴミを撮り続けたいと思っています。
INFORMATION
cizucu認定ライター
どこにでもGFXを持って行く人 🇯🇵 Kanagawa / '99 📷 GFX50S
cizucu:好 | Kodai Yamashita
好 | Kodai Yamashita
@hao