Cover photo by ボブミヤン
フィルム写真が再び注目を浴びている中、2024年末にはその世界を揺るがす大きなニュースが飛び込んできました。フィルム価格の高騰、そして映画用フィルム供給の制限は、フィルム愛好家たちにとって深刻な問題です。
しかし、この動向は写真文化に新たな方向性を示唆しているとも言えます。今回は、この変化の背景と、今後の可能性について考察します。
フィルム供給制限の背景と影響
今回の制限は、主に映画産業を優先するために行われたとされています。〈Kodak〉は、再スプーラー（大ロールのフィルムを小分けして販売する業者）への供給を削減し、映画産業の顧客に価格競争力を維持する道を選びました。
Photo by はくらく
この決定により、アマチュアからプロまで幅広い写真家が影響を受けることになります。また、フィルム価格は2025年1月に再び上昇予定で、コストが更に高くなる可能性が示唆されています。
若い世代とレトロカメラ文化
ミレニアル世代に続き、Gen Zもフィルムカメラやヴィンテージデジタルカメラに魅力を感じています。しかし、価格高騰が続けば、彼らの選択肢はさらに限定されるでしょう。その結果、古いデジタルカメラや新しいハイブリッドカメラに注目が集まる可能性があります。
Photo by さあめ4号
このシフトは、フィルム写真が持つノスタルジックな魅力を拡大する一方で、フィルム自体の需要低下を引き起こすリスクも伴っています。
新たな創造性を探る
こうした状況に直面する中で、クリエイターは新しい方法で写真を楽しむ工夫が求められます。たとえば、フィルムの使用を特別なプロジェクトや限定的な撮影に絞り、デジタルとフィルムの両方を活用したハイブリッドなスタイルを追求するのも一案です。
また、リサイクルやリユースを意識した機材選びや、コミュニティでフィルムをシェアする動きも注目されています。
