デジタル全盛の時代に、Z世代を中心にフィルムカメラの人気が再燃しています。スマートフォンやデジタルカメラで簡単に美しい写真が撮れる一方、フィルム独特の手間や予測不能な仕上がりが「エモい」と評され、新鮮な体験として注目を集めています。
さらに、現像データをスマホに保存して楽しむなど、デジタル時代ならではの新しいフィルムの使い方も定着しつつあります。
不便さが生み出す「エモさ」の魔力
デジタル写真は、瞬時に仕上がりを確認できるのが魅力ですが、フィルム写真は現像してみないと写真の出来栄えがわかりません。この一手間がZ世代には逆に新鮮で、失敗を含む予測不可能な仕上がりが「エモい」と感じられています。
また、ネガフィルムならではの温かみある色調やざらつきのある質感が、完璧なデジタル写真にはない味わい深さを引き出し、作品に個性を与えるとして人気を集めています。
SNSとデータ化で広がるフィルム写真の楽しみ方
フィルムカメラブームの特徴は、写真をプリントせずデータ化し、SNSで気軽にシェアする点にあります。特に「きれいに撮れないカメラ」が好まれ、味のあるオリンパス「μ」シリーズはインフルエンサーの影響もあり高い人気を誇ります。
現像済みのネガを捨て、データだけで楽しむ若者も増え、フィルム写真がデジタル化された新しい形で日常の中に溶け込んでいるのです。
デジタル時代に味わう、スローでアナログな体験
フィルム写真のもう一つの醍醐味は、デジタルの「速さ」と対極にある「スローな撮影体験」です。失敗のリスクや待ち時間があるからこそ、1枚1枚に込める想いも強くなります。
Z世代にとって、じっくりと構図を考え、結果を待つその過程こそが心を豊かにし、フィルムの「エモさ」に魅了される理由となっています。