©️ Saul Leiter Foundation
写真家ソール・ライター（Saul Leiter）は、静かな美しさと日常の儚い瞬間を見事に切り取ることで知られています。彼の作品は、控えめながらも深い感情を内包し、現代の私たちにも強く訴えかける力を持っています。
ニューヨークの街角を舞台に、人々が見過ごしてしまうような瞬間を捉えたその写真は、「見ることの喜び」を感じさせるものであり、ライターの視点の鋭さが光ります。そんな彼の最新の写真展が東京で開催されることが決定し、再びその作品が注目されています。
©️ Saul Leiter Foundation
日常に潜む詩的な瞬間
ソール・ライターは、商業写真家として活躍していた一方で、私的な作品ではニューヨークのストリートを舞台に、窓越しの風景や雨の日の傘を差す人々など、日常の中でふと現れる美を捉えていました。
©️ Saul Leiter Foundation
彼の写真は、人々が見逃しがちな一瞬の光景を、まるで映画の一コマのように切り取り、控えめながらも詩的な世界を描き出します。特に、ガラス越しの反射や遠くからの視点を使った構図は、見る者に「隠れた物語」を感じさせるユニークな視覚体験を提供します。
カラー写真の先駆者
ライターは、カラー写真の先駆者としても知られています。彼が愛用したコダクロームフィルムは、当時の技術では退色しやすいという問題があったにもかかわらず、その鮮やかな色彩が彼の作品に独特の生命感を与えました。
©️ Saul Leiter Foundation
彼のファッション写真でも見られる縦構図や大胆な色彩は、その後の芸術写真にも影響を与え、今なお多くの写真家にインスピレーションを与え続けています。ライターがあえて商業写真の世界を離れ、静かに自分のペースで作品を撮り続けたことも、その芸術的追求を象徴しています。
最新の展示「ソール・ライター展」
2024年10月25日から2025年1月13日まで、東京・虎ノ門ヒルズの「art cruise gallery by Baycrew’s」でソール・ライターの写真展が開催されます。この展示では、ライターの未発表作品を含む44点の写真が日本で初公開されます。
彼の代表作から新たに発掘されたポジをもとにプリントされた作品まで、静かな詩情に満ちたライターの世界を堪能できるこの機会をぜひお見逃しなく。
期間：2024年10月25日〜2025年1月13日
場所：art cruise gallery by Baycrew's
住所：東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワ ー3F SELECT by BAYCREW’S 内
開館時間：SELECT by BAYCREW’Sに準ずる
休館日：SELECT by BAYCREW’Sに準ずる
料金：無料
