2023年1月に発表された〈LUMIX S5II〉が新たに搭載した「リアルタイムLUT(Look up table)」機能は、写真の色調整を写真撮影時にリアルタイムで行うことができる革新的な技術です。また2024年6月に発売された〈LUMIX S9〉機ではスマホで簡単にLUTを利用できる機能が注目されています。
「リアルタイムLUT」は、簡単に言うと、好みのプリセットをカメラにあらかじめ取り込んでおくことができ、撮ったその場でプリセットが適用された写真を確認できるような機能です。これにより、誰でも簡単に好みの色合いや雰囲気をその場で反映させた撮影が可能になります。今回は、この「リアルタイムLUT」とは何か、どのような効果が期待できるのか、そして実際にLUMIX機で活用する方法を解説します。
リアルタイムLUTとは?その仕組みを簡単に解説
「リアルタイムLUT」は、映像や写真の色調整をその場で反映させる技術です。通常のLUTは、撮影後の編集段階で適用することが一般的ですが、リアルタイムLUTはその名の通り、撮影中にリアルタイムでLUTを適用できる点が特徴です。
具体的には、カメラが捉えた写真に対して、あらかじめ設定した色のプロファイルを瞬時に適用することで、撮影時にすでに完成に近い色調が得られます。これにより、撮影時に意図した雰囲気やスタイルを確認しながら撮影を進めることができ、撮影後の色補正の時間を大幅に削減することが可能です。
リアルタイムLUTの活用で広がる撮影の可能性
「リアルタイムLUT」を使うことで、撮影現場でのクリエイティブな表現が大きく広がります。たとえば、ポートレート撮影において、暖かみのある色調やクールな色合いなど、シーンに合わせたルックを撮影現場で確認しながら調整することができます。これにより、現場でのクリエイティブな判断が即座に反映され、時間の節約にもつながります。
また、「リアルタイムLUT」を使用することで、撮影時点でクライアントやチームメンバーに完成イメージを共有できるため、撮影後の修正や再撮影のリスクが減少します。さらに、LUTを使って異なるカメラ間の色を統一することで、複数の機材を使ったプロジェクトでも一貫性のある色調を保つことが可能です。
LUMIX機でリアルタイムLUTを使う手順とスマホでの活用
LUMIX機でリアルタイムLUTを活用するためには(A)スマホアプリ「LUMIX Lab」から直接LUTファイルを転送する(B)PCからLUTファイルをダウンロードする の2種類の方法があります。
(A)スマホアプリ「LUMIX Lab」から直接LUTファイルをインプットする
スマホアプリ「LUMIX Lab」を活用することで、LUTファイルをカメラに簡単に転送できるほか、簡単にLUTを自作することもできます。ここではLUMIXが公式で作成したLUTファイルをカメラへ転送する方法をご紹介します。
- 「LUMIX Lab」をダウンロード(iOS / Android)
- タブの「ダウンロード」を選択し、「LUMIX LUT」からお気に入りのLUTを選択
- LUTをダウンロード
- タブの「LUT」を選択し、ダウンロードしたLUTを選択
- 「カメラに転送」を選択
(B)PCからLUTファイルをダウンロードする
またPCからLUTファイルをダウンロードしてカメラへインストールする方法もあります。この場合は、一度SDカードへLUTファイルを転送したのち、カメラに取り込む必要があります。詳しくはLUMIX公式ページをご覧ください。