写真撮影における「マニュアルフォーカス」と「オートフォーカス」の選択は、より良い作品作りを目指すクリエイターにとって重要です。
「オートフォーカスが便利でしょう?」と思われがちですが、撮影の状況や目的によってどちらを選ぶべきかは変わってきます。今回は、それぞれのメリットとデメリットを深掘りし、どのように使い分けるべきかを考察します。
オートフォーカスの利便性と制約
オートフォーカスは、そのスピードと便利さが最大の魅力です。特に動きの速い被写体や、瞬間を逃さず撮影する必要があるスポーツや野生動物の撮影には欠かせない機能でしょう。
また、初心者にも使いやすく、カメラが自動的にピントを合わせるため、複雑な操作を必要としません。しかし、低照度やコントラストの少ないシーンでは、ピントが迷ったり、狙った場所に焦点が合わないことがあるため、万能ではありません。
マニュアルフォーカスのメリットと使いどころ
マニュアルフォーカスは、精密な制御が求められる撮影シーンで真価を発揮します。マクロ撮影やポートレート撮影では、フォーカスポイントを微調整することで、被写体の特定部分を正確に捉えることが可能です。例えばポートレート撮影時に、目にピントを正確に合わせたいときは、マニュアルフォーカスが役に立ちます。
また、低照度や被写体と背景のコントラストが少ない状況では、オートフォーカスの場合ピントに迷いが生じ本来のパフォーマンスを発揮できない一方、マニュアルフォーカスの場合は確実にピントを合わせることができます。ただし、操作には慣れと時間が必要であり、特に動きの速い被写体を捉えるのは難しい場合があります。
シーンに応じたフォーカス選択のコツ
状況に応じてマニュアルフォーカスとオートフォーカスを使い分けることが求められます。例えば、動きの予測が可能なシーンでは、あらかじめピントを合わせておくことで、瞬間的にシャッターを切ることができます。また、特定のシーンでは、オートフォーカスが効果的ですが、アーティスティックな撮影や細部へのこだわりが求められる場面では、マニュアルフォーカスが有効です。
またオートフォーカス機能は年々進化しており、SONY 〈α1〉やニコン 〈Z7 II〉、キヤノン 〈EOS R5〉などに搭載されている「瞳AF」は、瞳を検出して自動でピントを合わせてくれる技術です。
最終的には、撮影の目的と被写体に応じて、最適なフォーカスモードを選択することが重要です。