最近、インスタグラムを開くと、ショート動画が多く見られると感じませんか?
その理由について、インスタグラムの責任者であるアダム・モセリが正式に発表を行いました。
責任者・モセリの視点から語るインスタグラムの役割
インスタグラムの責任者アダム・モセリは、なぜインスタグラムがYoutubeのような長い動画を投稿することにこだわらないのか、立場を明らかにしました。
モセリの語るインスタグラムの役割は二つ。
一つ目は、ユーザーを友人とつなげることです。そもそもインスタグラムは、友人同士の交流を深めるためのプラットフォームとして機能しています。
二つ目は、ユーザーが自分の興味を深める手助けをすることです。そのために、インスタグラムは情報を素早くキャッチアップできるショートに注力していると述べています。
ショートだから気軽にシェアできる
例えば、面白いコメディ動画やスポーツのハイライトをフォロワーに送ることで、共通の話題をつくることができる。オンラインでの絆が深まり、オフラインでの交流も増していく、というのがモセリの描くシナリオだそうです。
ショート動画は数秒から数十秒程度で視聴できるため、気軽にシェアすることができます。それゆえ、ユーザー同士のコミュニケーションが促進されると考えられています。
一方で、10~20分の動画を視聴する間は他のコンテンツを見る時間が減り、全体的なインタラクションも少なくなります。その分、ユーザーが友人にシェアするアクションが起こる可能性も低くなります。つまり、インスタグラムの役割である「ユーザーを友人とつなげる」を妨げることになります。
写真共有プラットフォームではなかったのか?写真の優先順位の低下
モセリの発言に注目すべき点は、彼の発言に写真に関する言及が一切ないことです。
インスタグラムは元々写真共有のプラットフォームとしてスタートしましたが、最近では動画コンテンツが優先されるようになりました。写真を楽しむユーザーにとっては、写真が見落とされていると感じが否めません。
TikTokとYoutubeとは異なる戦略なのか
インスタグラムの戦略は、競合する〈TikTok〉とは対照的です。〈TikTok〉は最近、ユーザーが60分の動画を投稿できるようにするなど、長編動画にも力を入れています。これは〈YouTube〉と競争するための戦略と考えられています。一方、インスタグラムはショート動画に集中することで、ユーザーの短時間での反応を高めることを目指しています。
モセリの説明によると、ショートは制作コストが低く、ユーザーが手軽にコンテンツを作成できるため、コンテンツの量も増えること。初期のインスタグラムが目指していた「無数の写真を通じて世界中の人々をつなぐ」という動きが、ショート動画へと変わったことを意味しています。
いかがでしょうか。
モセリの発言は、インスタグラムの方向性を示す重要なメッセージです。ショート動画だけが注目を浴びて、写真に目がいかなくなる状況は、写真好きとしては少し物寂しさを感じてしまいますね。