![2024-05-first-selfie-cover-image](https://images.microcms-assets.io/assets/602ef6e805c54eec922fbce6bcb26986/d56941c5e47f4b919d2095966ee7dcbc/2024-05-first-selfie-cover-image.jpg?ar=1200%3A630&fit=crop&auto=format%2Ccompress&w=3840&q=75)
cover image by 田中ハル
今や誰もが撮ってる「セルフィー」。
スマートフォンが普及とともに、自己表現の一環として日常的に行われるようになりました。しかし、意外なことにセルフィーの歴史は19世紀にまで遡ります。歴史学者の〈GF Korreck〉が、1850年代にアメリカで撮影された初期のセルフィーを発見し、話題になっています。
セルフィーの起源を探る
話題の写真は、1856年から1857年の間にミシガン州グランドラピッズで撮影されたものとされています。写真に写っているのは若い男性、〈James Minton Keeney〉。彼はシャツとネクタイ、チェックのベスト、そしてベルベットの襟が付いたスーツジャケットを着ています。〈Keeney〉はカジュアルなポーズをとり、木製の椅子で足を組み、左手を顔の近くに置いています。細部に注目すると、彼の左手の小指にシャッターを切るためのコードが巻かれているのが見えます。このことから、写真がセルフィーであることが分かります。
19世紀の写真技術とセルフィー
19世紀の写真技術は当時の最先端テクノロジーで、発展途上でした。ダゲレオタイプやアルバムンプリントが主流であり、セルフポートレートを撮るのは非常に難しい作業でした。その中で、〈Keeney〉がこの写真を撮影するために使った方法は、非常に革新的です。シャッターを遠隔で操作するためのコードを使用した点は、今のセルフィー棒やリモートシャッターに通じるものがあります。
なぜセルフィーを撮ったのか
では、なぜ〈Keeney〉はセルフィーを撮影したのでしょうか?〈GF Korreck〉は、「彼は若者で、ただ楽しんでいたのかもしれない」と述べています。これは、若者が自己表現や自己確認の手段としてセルフィーを撮る現代のトレンドと共通しています。19世紀の若者も、自分を記録し、他者に見せることに楽しみを見出していたのかもしれません。
![2024-05-first-selfie-image-10](https://images.microcms-assets.io/assets/602ef6e805c54eec922fbce6bcb26986/a549be23eb14463ca428442b3f5dbaf0/2024-05-first-selfie-image-1.jpg?auto=format%2Ccompress&fit=max&w=3840&q=75)
© Grand Rapids Public Library | James Minton Keeneyのセルフィ―
今回の発見は、セルフィーが単なる現代の現象ではなく、歴史的な背景を持つことを示しています。また、写真技術の進化とともに、人々の自己表現の方法も変化してきたことを理解する一助となります。今後も、過去の写真に隠された物語を掘り起こすことで、私たちは新たな視点を得ることができるでしょう。
![cizucu app icon](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fcizucu-production.imgix.net%2Fimages%2Fusers%2FAZrBcVWnBWURv21S9kYAyIkmqlC3%2Ficon.jpg%3Fw%3D432%26h%3D432%26fit%3Dcrop&w=64&q=75)
cizucu - コミュニティ・ストックフォト
アプリで快適にマガジンを読もう