今さら聞けないオールドコンデジ流行の理由 | Release #86

「2nd BASE」の店長である三村氏によると、2023年の春から夏にかけてオールドコンデジの販売数が急増。このブームは、〈TikTok〉や〈Instagram〉といったSNSを介して、若者たちの間で共有されています。

コンデジの魅力はその手軽さにあり、フィルムカメラに比べてランニングコストや手間がかからず、独特の味わいを瞬時にSNSで共有できる点が、特に若い世代に受け入れられている理由です。

オールドコンデジブームはZ世代に限らず、30代や40代の層にも広がっています。気軽に楽しめるレトロな雰囲気と、昔慣れ親しんだ画質から感じる懐かしさが、新しい表現形式として魅力を放っています。Z世代を中心とする流行をきっかけに、かつて使っていたが長らく使われていなかったコンデジを再び取り出して使う人が増えているようです。さらに、家で眠っていたコンデジを売りに出す人も増加しています。

また映像業界では、ミュージックビデオの回想シーン撮影にコンデジを用いることで特別な雰囲気を創出しています。オールドコンデジを用いた撮影へのアプローチはクリエイターたちに支持され、映像制作の新しい表現方法として広がっています。

音楽業界を含むクリエイティブな領域でも、コンデジの使用はトレンドとなり、プロフェッショナルによるさらなる探求と新たなトレンドを担う存在として注目されています。

オールドコンデジは、写真や映像文化に新たな可能性を示唆しています。自動車の旧車や音楽メディアのレコード、カセットテープが再評価される現象と同様に、手間や工夫をかける不自由さを楽しむ文化が今、生まれています。このブームが示しているのは、デジタルとアナログの境界を越えて新しい価値を再発見し、それをプラットフォームを通じて共有できるテクノロジーの存在です。

テクノロジー、ソーシャルメディアを通じた写真や映像の共有は、さまざまな人々との交流の場を提供し、広範なコミュニティをつなぎます。そしてその交流の中で、オールドコンデジの手軽さと独自のレトロな美学が、多くの人々に新たな創造のインスピレーションを与えているのです。