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2024.03.06

表現に選択肢をもたらすImage to Image技術 | Knowledge #20

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ユーザーが指定したパラメーターや学習したデータセットに基づいて画像生成を行うAIにとって、偶然の瞬間や人間の深い感情を理解し表現することは、困難なことであり自然ではありません。

その一方で、高度な編集や合成を可能にする画像生成AIの進化は、クリエイティブに新しい可能性をもたらし、日常のセレンディピティを捉える写真の媒体価値を高めることに寄与することが期待されています。

新しい可能性を生み出す画像生成AIとは

画像生成AIとは、ユーザーが入力する指示(プロンプト)に対して自動的に画像やイラストを生成するAIツールで、大きく以下の2つに分けることができます。

Image to Image

既存の画像を入力データとして、異なるスタイルやコンテクストで再構成し新しい画像を生成するAI技術です。生成するプロセスでは、深層学習モデルが画像の内容を理解し、指定された新しいスタイルや形式に従って、画像を再生成します。

アート作品のスタイル変換、写真の品質向上、現実世界のシーンの再解釈など、多岐にわたる応用が可能です。代表的なサービスには、〈Adobe Photoshop〉の「Neural Filters」やスタイル変換に特化した「Deep Art Effects」などがあります。

Text to Image

テキスト記述を入力データとして、新しい画像を生成するAI技術です。生成するプロセスでは、自然言語処理(NLP)と画像生成のアルゴリズムを組み合わせて、テキストで説明されたシーン、オブジェクト、雰囲気を具現化したビジュアルを作り出します。

具体的な指示から抽象的な概念まで、幅広いテキスト記述に対応し、リアルな画像やアートワークの生成に利用されます。代表的なサービスには〈OpenAI〉の「DALL·E」、〈Google〉の「Imagen」や〈DeepMind〉の「BigGAN」などがあり、これらはクリエイティブな表現、ゲームのアセット制作、教育資料の作成など、多様な分野での応用が期待されています。

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Image by Mori

Image to Imageの活用

Image to Imageの技術は、写真、特にデジタル写真の領域において、創造性と実用性を兼ね備えたイノベーションを起こす可能性を秘めています。本マガジンでは、この技術の具体的な活用事例とメリットをご紹介します。

写真とデザインの融合

Image to Image技術を活用することで、クリエイターの皆さまはご自身が撮影された作品を新しいスタイルで再解釈することができます。ご自身で撮影された作品同士を合成したり、クロップをしたり、文字を追加するなどのデザイン作業を簡単に行うことができます。

写真の修復や改善

古い写真や損傷した画像の修復にも応用されています。画像生成AIは、画像の損傷部分を認識し、全体を解釈することで自然な形で修復することが可能です。

さらに、解像度の向上やノイズの除去など、画像の品質を改善することにも利用可能です。

挙げ始めるとキリがない、Image to Image技術の活用と応用ですが、その創造性とは裏腹に使用することはとても簡単です。クリエイターの皆さんの日々の創作活動においても、これまで以上に表現の幅をもたらしてくれるでしょう。

現在、〈セレンディピティ(偶然の瞬間、意外な発見)〉をテーマとするフォトコンテストを開催しています。日常や身の回りにおける、偶然の瞬間の美しさ、意外な発見から生まれる創造性はもちろんのこと、Image to Image技術を活用して新しい作品を生み出す中で生まれる美しさや発見もまたセレンディピティとなります。

この機会にぜひImage to Imageに触れ、フォトコンテストに作品を応募してみてくださいね。

cover image by junya

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