ニコンの最先端技術、Z 9が国際宇宙ステーションに到着
ニコンの技術革新が新たなフロンティアを開拓しました。同社のフラッグシップミラーレスカメラ、〈ニコン Z 9〉が、〈国際宇宙ステーション(ISS)〉での使用のため、〈アメリカ航空宇宙局(NASA)〉に納入されたのです。
2024年1月に〈ISS〉に送られた〈Z 9〉は、宇宙飛行士による地球や宇宙の印象的な画像を、これまで以上に高画質で鮮明に捉える予定です。13台の〈Z 9〉本体と、超望遠レンズやマイクロレンズを含む15本以上の〈NIKKOR Z レンズ〉、そして15個のマウントアダプター〈FTZ II〉が、〈NASA〉との契約に基づき宇宙へと届けられました。
宇宙で耐える耐久性
〈Z 9〉は、フルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラの中で、堅牢性、信頼性、そして最先端技術の搭載によって高く評価されています。特に、このカテゴリーのカメラとして初めてメカシャッターレスを実現し、可動部品を最小限に抑えることで、耐久性を最大限に高めています。NASAに納入された〈Z 9〉のカメラ本体は、特別な改良を施さず、地上のユーザーが使う市販品と同じ品質で提供されています。
宇宙環境向けのカスタマイズ
一方で、ファームウェアは宇宙環境に適応させるため、〈ニコン〉と〈NASA〉が共同で開発しました。宇宙放射線耐性、ノイズリダクションの改善、操作性の最適化、そして地球への画像送信の効率化と消費電力削減を含みます。
ニコンとNASAの長年にわたるパートナーシップ
実は、1971年ニコンはアポロ15号向けに特別仕様の〈ニコンフォトミック FTN〉を製作し、その後もNASAで使用され続けています。今回の〈Z 9〉の採用は、50年以上にわたり宇宙のミッションで使用されたカメラが一眼レフからミラーレスへ移行したことを示す記念碑的な出来事です。ISSで使用されるこれらのミラーレスカメラとレンズは、科学研究、宇宙飛行士の生活記録、そして宇宙や地球の象徴的な画像の撮影をサポートし続けるでしょう。日常で使用するカメラが宇宙のミッションにも使用されていると想像すると、なんだかワクワクしますね。
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