Z世代の新トレンド、リアルな日常をシェアするアプリ「BeReal」 | Release #58

「BeReal」は、2020年にフランスで登場したSNSアプリで、Z世代と呼ばれる若者世代を中心に流行しています。アプリの最大の特徴は、日常のリアルな1コマをそのままシェアできること、フィルターが使えないことで、無加工の自分を共有するように設計されています。

アプリをダウンロードすると、1日1回ランダムなタイミングで通知が届きます。通知を開くと、2分間のタイマーが始動し、フロントとバックカメラを使って撮影し、自分や周囲の風景をキャプチャできます。2分以内に投稿することで、友達の投稿を見ることができます。

ありそうでなかった革新的な機能、それは撮影写真に自撮りを含めることです。この機能は、バックカメラを通したセルフィ―によって、相手が見ている素顔の私や、フロントカメラが捉えた現在の景色を同時に共有することを可能にしています。

このシンプルな機能に対するこだわりは、ユーザー同士のコミュニケーションや共有を促進し、新たなコミュニティを形成しています。自分の顔や表情を写真に取り入れることで、他のユーザーとのつながりを深め、ソーシャルメディアのもつ非現実性にリアリティのある安心感をもたらします。

セルフィーの意味について考えるマガジンを読むことで、BeRealのシンプルなこだわりの素晴らしさをより再認識できます。

完璧なイメージよりも真実性を求めるZ世代にとって、「BeReal」は自己表現の新たな舞台です。このアプリは、”完璧なイメージ”へのプレッシャーから解放し、自然体でいることを促します。

他のプラットフォームが見栄えの良い画像や動画、編集されたコンテンツの共有に注力している一方で、「BeReal」は加工やフィルターを一切使用せず、リアルタイムでの日常の一コマを共有することに価値を見出しています。このアプローチにより、日々の生活の瞬間を捉え、そのリアリティを共有することを目指し、ソーシャルメディアの新たな風潮を築いています。

リリースからわずか数年で爆発的な成長を遂げた「BeReal」の人気の背後に隠れている、ソーシャルメディアが演出する"完璧なイメージ”への疲れという課題。Z世代は他の世代と比べてソーシャルメディアの使用時間が長いからこそ、一部はソーシャルメディアからの情報に対する敏感さや理解が深く、真実性を重視しています。彼らは編集や加工が施されたコンテンツに疑念を持ちます。「BeReal」はこれらのニーズに対応し、リアリティと瞬間性を強調することで若者たちの心を掴んでいます。

Z世代は、求めるリアルでオーガニックな瞬間。「BeReal」は、ソーシャルメディアが向かうべき新しい方向性を示しています。加工された現実ではなく、生の瞬間を共有することの価値を見出し、Z世代をはじめとするユーザーに新たな自己表現の場を提供しています。このシンプルながらも深いアプローチは、今後のソーシャルメディアの形を大きく変える可能性を秘めています。その事例として、まさに今の「BeReal」大流行は、ソーシャルメディアに求められる新しいニーズに応えた結果と考えられるでしょう。

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