クリエイターや作品、トレンドにスポットを当てる『Focus』。素敵な写真を投稿して頂いているクリエイターの方々を写真と共にピックアップし、紹介します。共通の感覚を見つけ出し、新たな創作のインスピレーションに。今回のテーマは、「超現実」。
不完全さに広がる、現実よりリアルな世界
不完全性の美学が写真に与える深い魅力は言葉にしがたい。カメラはまっすぐに撮り、残す道具であるが、写真は人間の複雑な内的心情が込められた芸術である。一見、絵画より客観的で、記録媒体として完全であるような写真の中にも、時々、違和感を覚える一枚に出会う。そこには、他には見られない、独特な魂が息づいている。のちにその一枚は、目には見えないリアルな現実を批評的に写し出す。不完全さにこそ新たな現実の輝きがあることを改めて教えてくれるのだ。
今回は、深いリアリティや真実味を伝えてくれる超現実的な写真を撮ったクリエイターの方々をピックアップし、ご紹介します。
鉄人少年の奥に眠る心
Q. 普段の制作、写真を撮るときに意識しているポイント
言葉するのが難しいですが、自分は構図がこうなったら撮ろうとか色味がこうだから撮ろうという思考的なトリガーはなるべく排除して、感覚として、構図や色味や光、距離感とその時の気分など様々な交差する要素がピッタリ自分にとって気持ち良く集結して一つにまとまった瞬間にシャッターを自然と切っています。
INFORMATION
カメラを本格的に始めたきっかけは、19歳の時に出発した世界一周旅です。自分が辿った道や、出会ってインスピレーションを受けた場所や人を写真に残す事によって、他の人たちにも表現の自由、そして自分が好きな事を知る事によってさらに自分がどういう人間なのか知って欲しいという欲求が写真の制作活動を続けさせてくれたきっかけだと感じています。
今までストリートで撮ってきたため、コンテストなどは応募した事がありません。恐らく、一番良い写真を撮るためではなく、自分に取って、自分の感覚が揺らいだ瞬間を撮っている事に一番満足感を感じているからだと思います。
cizucu:hikaru masamiya
Instagram:@masamiyajamiehikaru
宙に浮かぶ挑戦的な椅子
Q. 普段の制作、写真を撮るときに意識しているポイント
光と影、白と黒の使い方。その瞬間に心惹かれるもの。
INFORMATION
何か特別な理由で始めたわけではなく、普段持ち歩く携帯電話で写真を撮ることが日常になっていました。
cizucu:hirokagiake
Instagram:@0blend1
静寂の幻想、森の奥深く奪われる意識
Q. 普段の制作、写真を撮るときに意識しているポイント
主な機材はミラーレス一眼、ドローン、iphoneです。 撮影には光の当たり方や露出をとくに意識しています。 最近ではテクノロジーの進化に伴いiphoneだけを使用した撮影編集を計画しています。
INFORMATION
京都の大学生。小学校時代に小さなコンデジを買い写真に興味を持った。学内外でのプロジェクトやアーカイブ撮影を主にしています。 また、現代アートと写真映像の関係性について興味があり研究しています。
cizucu:Mori
超現実的テクストは、常識の枠組みを超えた世界を見せ、現実を生きていく中で枯れ果てた精神性を満たしてくれる。写真は、見える情報以上に、数百光年先の遠く見えない世界も写している意識の鏡かもしれません。