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2025.02.12

AI生成の写真を識別するGoogleのウォーターマーク技術「SynthID」| Release #441

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Cover photo by 侑奈

写真編集の世界に革命をもたらしているAI技術。しかし、AI編集の発展に伴い、「本物」と「改変」の境界が曖昧になる問題が浮上しています。〈Google〉はこの課題に対応するため、AI生成・編集されたコンテンツに目に見えないウォーターマーク「SynthID」を埋め込む技術を導入しました。

今回は、SynthIDの仕組みと、その影響について詳しく掘り下げます。

AI編集画像の新しい「透かし」技術

SynthIDは、〈Google〉のAI研究機関である〈DeepMind〉が開発したデジタルウォーターマーク技術です。AIが生成または編集した画像・動画のピクセルレベルに埋め込まれることで、見た目には影響を与えず、専用ツールで検出が可能になります。

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Photo by meg

従来の可視ウォーターマークとは異なり、SynthIDはトリミング、色調補正、圧縮などの編集を施しても残り続ける設計になっています。これにより、SNSやニュースサイトなどでの誤情報拡散を防ぎ、視聴者が画像の出所を確認しやすくなります。

AI編集写真の透明性向上へ

SynthIDは透明性を高める重要な一歩ですが、完全な解決策ではありません。例えば、〈Google〉の「Magic Editor」による小規模な編集はSynthIDが検出できない場合があります。また、〈Google〉独自の技術であるため、他の企業のAI編集ツールが同様のウォーターマークを採用しなければ、一部の画像だけが識別可能になるという問題も。

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Photo by Yuya

加えて、悪意のある編集者がSynthIDを回避する手段を開発する可能性も考えられます。業界全体で統一規格の策定が求められるでしょう。

AI編集とオリジナリティのバランス

AI編集技術は新たな創造の可能性をもたらす一方、写真の信頼性を揺るがすリスクも伴います。写真を撮る際は、オリジナルの美しさを大切にしながら、AIの力を補助的に活用することが重要です。

SynthIDのような技術が普及することで、編集の透明性を保ちつつ、より多くの人が安心して写真を楽しめる環境が整うでしょう。

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