夜景の撮影で光を線状に写す作風を見かけることがあります。これは長時間露光によるものですが、光が「線」として記録される現象の理由と、長時間露光の基本を知ることで、夜景撮影にさらなる表現力を加えることができます。
今回は、光の軌跡を美しく収めるためのポイントや、撮影時に気をつけたいことについてご紹介します。
長時間露光の魔法
夜景撮影で光が線になるのは、シャッタースピードを数秒以上に設定する「長時間露光」の結果です。車のヘッドライトや街灯の光など、動く光源がシャッターを開いている間に移動すると、カメラのセンサーにその軌跡が線状に記録されます。
これにより、動きのある被写体が幻想的な光跡となり、夜の風景に臨場感が加わります。特に10秒以上の長時間露光は、交通量が多い場所や観覧車など、動きのある被写体を撮影するのに最適です。
美しい光の軌跡を撮るための基本設定
長時間露光を使いこなすには、いくつかの設定が重要です。まず、三脚を使用してカメラを固定し、ブレを防ぎましょう。シャッタースピードは10秒前後を基準に、被写体のスピードに合わせて調整すると効果的です。
絞り値はF13~F16に設定し、光が点ではなく線でしっかり写るようにします。また、ISO感度はできるだけ低く(ISO100以下)設定することでノイズを抑え、夜景をクリアに撮影できます。これらの設定を意識するだけで、鮮明で躍動感のある写真が撮れるでしょう。
フレアやゴーストの回避とレタッチで仕上げる方法
夜景撮影では、光が予期せぬ反射や屈折を引き起こし、「フレア」や「ゴースト」という斑点や光の反射が生じることがあります。これらを防ぐためには、レンズフードを装着したり、レンズを清潔に保ったりするのがポイントです。また、強い光源を直接フレーム内に入れない工夫も効果的です。撮影後にはレタッチで露光量やコントラストを調整し、光跡がより引き締まった印象になるよう仕上げると、クールで幻想的な一枚に仕上がります。
夜景の光跡を活用することで、夜の街や風景に躍動感とドラマを加えることができます。ぜひ、長時間露光の魅力を存分に活かして、夜の撮影に挑戦してみてください!