株式会社サイトロンジャパンは、天体撮影向けの新しいCMOSカメラ「ZEUS 455C PRO」と「ZEUS 455M PRO」を発表。発売日は2024年8月6日。市場予想価格は、それぞれ75万円前後と77万円前後となる。
高性能なソニー製センサーと冷却システム
「ZEUS 455C PRO」と「ZEUS 455M PRO」は、いずれもソニー製の6,100万画素フルサイズセンサー「IMX455」を搭載。これらのセンサーは、裏面照射型のSTARVISテクノロジーを採用しており、カラーでは約80%、モノクロでは約91%という高い量子変換効率を誇る。
また、デュアルTEC冷却システムにより、最大で外気温-35度まで冷却することが可能。この冷却システムには、センサーチャンバーの構造最適化やヒートシンクの効率的な排熱機能も含まれており、結露防止のための内蔵ヒーターも搭載。
高分解能と直感的な設計
両機種ともに16bitADCを採用し、高い分解能を実現。これにより、12bitADCの16倍、14bitADCの約4倍の高分解能を提供する。また、512MBのDDR3キャッシュメモリを搭載し、フレームドロップを回避して読み出しを安定させ、リードアウトノイズとアンプグローを大幅に減少。
さらに、デッドピクセルサプレッション技術により、ホットピクセルやクールピクセルを自動で判別・補正する機能も備える。ボディデザインは八角形で、センサーの長辺・短辺の直交性を重視した設計となっており、セッティングや構図変更時の角度合わせが容易となった。
望遠鏡との接続部分は円形で、回折光への影響を最小限に抑え、チルトプレート形状を採用し、各辺に調整ネジを配置することでスケアリング調整も直感的に行うことができる。
新しいCMOSカメラは、ASCOMカメラに対応しているキャプチャーソフト(SharpCap, N.I.N.A, AstroPhotographyToolなど)で動作する。専用のASCOMドライバーはPlayer Oneから無料で配布されており、カメラとの接続にはこのドライバーが必要となる。2024年8月時点でのネイティブ対応については、各キャプチャーソフトの対応機種を参照。
仕様
- 製品名:ZEUS 455C PRO/ZEUS 455M PRO
- センサー:SONY IMX455 裏面照射型CMOSセンサー
- フォーマット:フルサイズ(36mm×24mm)
- 解像度:9576×6388(約6117万画素)
- ピクセルピッチ:3.76μm×3.76μm
- シャッター:ローリングシャッター
- シャッター速度:32μs~2000s
- 保護ガラス:ARコートクリアガラス(直径φ55mm/厚さ2mm)
- フランジバック:17.5mm/12.5mm(チルトプレート取り外し時)
- データポート:メインケーブルUSB3.0(Type-C)、アクセサリーUSB2.0(Type-C)
- 電源:DC12V 3A(最大) 内径φ2.1mm外径φ5.5mmセンタープラス
- 冷却方式:デュアルTECクーラー
- 冷却能力:外気温-35℃±2℃
- 動作温度:-10℃~60℃
- 動作湿度:0%~80%
- 内部キャッシュ:512MB
- 接続規格:M54 P0.75mm/M48 P0.75m(M54-M48変換リング付属)
- 質量:約650g
- 筐体最大外径:90mm
- 対応OS:Windows7,8,10,11
- 付属品:カメラ本体、USB3.0Type-C to Aケーブル(2m)、USB2.0Type-C to Cケーブル(0.4m)、USB2.0Type-C to Aケーブル(0.4m)、六角レンチ、セミハードケース、ハンドブロワー、M54-M54 17.5mm、アダプター、M54-M48 20mmアダプター、M54-M54 20mmアダプター、M54-M48変換リング、ケーブルバンド、予備ネジ