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2024.08.24

京都の夏夜を彩る五山の送り火 | 歴史と撮影スポットガイド | Focus #283

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Cover image by yuko.

五山の送り火は、京都の夏の風物詩として知られる伝統行事であり、古くから多くのクリエイターたちを魅了してきました。

毎年8月16日、五つの山に大きな火文字が灯される光景は、日本の風土と歴史が交差する瞬間を切り取る絶好のチャンスです。
今回は、送り火の写真を紹介しつつ、来年以降の撮影に役立つ情報をご紹介します。

五山の送り火とは

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Image by Yukihiro

五山の送り火は、京都市内の五つの山に大きな火を灯す伝統行事で、お盆の終わりを告げるとともに、祖先の霊を送り出す意味を持っています。「大文字」「妙法」「船形」「鳥居形」「左大文字」という五つの火文字が、夜空を赤く染める光景は、壮大かつ幻想的です。

特に、カメラのレンズを通してその瞬間を捉えることで、写真に込められた静かな迫力を感じることができるでしょう。

送り火の起源

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Image by kyokyo

五山の送り火の起源は、諸説ありますが、最も有力とされるのは、平安時代末期から鎌倉時代にかけてのものです。当時、京都の貴族や武士たちは、祖先や亡き人々の霊を供養するために、送り火を灯したとされています。

特に、浄土宗や天台宗といった宗教的背景が深く関わっており、送り火は死者の魂を無事にあの世へ送り出す儀式として重要視されてきました。こうした伝統が長い年月を経て、現在の形に受け継がれています。

送り火の撮影スポット

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Image by Yukihiro

五山の送り火を美しく撮影するためには、撮影スポットの選定が重要です。各火文字ごとに異なるロケーションがベストとされており、撮影者の狙いによって適した場所が変わります。

大文字

東山の如意ヶ嶽(大文字山)で点火される「大」の文字の撮影スポットとしては、鴨川沿いが最も有名です。特に、加茂大橋や出町柳付近からの眺望は絶景で、川面に映る炎が幻想的な写真を生み出します。また、吉田山からの眺めも人気が高く、少し高台から全体を俯瞰する形での撮影が可能です。

妙法

松ヶ崎の西山・東山という2つの山に同時に点火される「妙」「法」の文字は、松ヶ崎駅周辺や、高野川沿いの北山通エリアがベストスポットとなります。その南の北大路通からも見られるので、混雑を避けてスポットを探しましょう。

船形

西賀茂の船山で点火される船形の送り火では、北区の西方寺付近が主要な撮影スポットです。船形全体が見渡せる画角を得るには、西方寺の駐車場からの眺望が適しています。少し離れた賀茂川、特に西賀茂橋あたりからもはっきりと見ることができます。

鳥居形

曼荼羅山に点火される鳥居形の送り火は、嵐山エリアからの撮影が理想的です。渡月橋付近からは、自然の景観と一体化した鳥居形の火文字が見え、伝統的な京都の風景と融合した撮影が楽しめます。また、山の東側に位置する広沢池も撮影スポットとして有名です。

左大文字

大北山の大文字山で点火される左「大」文字は、金閣寺近くの西大路通から撮影するのがベスト。また、鳥居形を見られる嵐山からもこの左大文字は見れるので、両撮りできる絶景スポットを探すのもいいですね。

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