cizucu主宰『Stories about Traveling』受賞発表 | Challenge #116

『Stories about Traveling』は、cizucuが主宰する、cizucuに登録するクリエイターであれば誰でも応募できるグローバルなオンラインフォトコンテスト。応募作品の中から優れた作品をキュレーションし、プラットフォームとしての新たな才能の発掘、そして、コミュニティとしての支援を目的としています。

オフィシャルキュレーターにフォトグラファー・澤井 健太 / Sawai Kentaさんをお迎えし、開催した今回のフォトコンテストのテーマは「旅の物語」です。

旅に出ると、感覚が研ぎ澄まされ、普段だと見過ごしてしまうような発見をすることができます。美しい景色、地元の人たちの優しさ、美味しい食事など、旅の物語として語りたくなるようなシーンを投稿いただきました。

それでは、Sawai Kentaさんが選定した受賞作品を発表いたします。

Renon.

📷 SONY | ILCE-7M3

Sawai Kentaさん講評
この写真を見た瞬間「いいなぁ」とため息混じりに呟いてしまいました。田舎の夕暮れって、こんなにも美しいんだなぁ…と改めて気付かされた一枚です。
夕日に照らされた田んぼと水路がとても美しく、その水路が奥に向かってまっすぐ伸びており、さらに白いワンピースを着た女性が夕焼け空に向かって走っている。それらの情景全てが写真の魅力をぐっと引き立てています。
この写真を見ていると、どこか懐かしい匂いだったり、そよ風だったり、蝉やカエルの声まで聴こえてくるような気がしてきます。
もしこんな風景に出会えたらものすごく感動するんだろうなぁ。そんな素晴らしい瞬間を切り取った素敵な作品です。

中嶋 凌 / Nakajima Ryo
「打ち上げ花火」

Sawai Kentaさん講評
この作品を見ていたら、夏祭りの思い出が一気に蘇ってきました。色とりどりの花火の光が夜空いっぱいに広がっていて、「今すぐ夏祭りに行きたい！」と思わせられる一枚です。 浴衣姿の女性がこの写真の雰囲気を見事に引き立てていて、花火に向けた視線も上手く表現されており、自分と人と花火の距離感も良い。その絶妙な構図は、まさにその場にいるような錯覚に陥り、花火の音や人々の歓声が聴こえてきそうです。 そんな夏の美しさや儚さを見事に捉えた素敵な一枚だと思います。

decomp3104
「高尾山からの広島夕景」

📷 SONY | ILCE-7RM5

Sawai Kentaさん講評
この作品は、都市と自然の調和を見事に捉えた感動的な一枚です。 前景に高尾山と登山者、その奥には夕日に染まる街並みと、絶妙なバランスで配置されています。さらに手前の岩肌の質感をしっかり出し、都市の質感も残しながら、奥にいくにつれかすみがかった大気が遠近感を演出しており、見る者を魅了する世界観。 まるで自分がその場にいるかのような感覚になり、この作品を見た瞬間「おおっ」と思わず声が出てしまいました。この瞬間に立ち会えた幸運と、その感動を見事に捉えた技量。最優秀賞に相応しい、心に残る作品です。

いかがでしたでしょうか。写真一枚の被写体や構図、色のイメージから、その人しか語ることができない旅の物語を想像することは、写真を楽しむ醍醐味と言えるかもしれません。これからも旅に出たときは、そこでの出会いや思い出ごと写真に収めるようにしようと思います。