フィルムカメラのシャッター音、仕上がった後の独特な質感、そして撮影した写真が現像されるまでのワクワク感。
フィルムカメラでのポートレート撮影は、デジタルカメラにはない楽しさがいっぱいです。今回は、フィルムカメラで素敵なポートレートを撮るためのコツを紹介します。
フィルム選びがカギ
シーンに合わせてフィルムを選び、狙い通りの写真を撮影しましょう。ポートレート撮影には「Kodak Portra 400」や「Fuji Pro 400H」がよく使われます。それぞれの特徴は以下の通りです。
- Kodak Portra 400: 色の再現性が高いフィルムです。まるでインスタグラムのフィルターを通したかのような仕上がりになります。
- Fuji Pro 400H: 鮮やかな色彩が特徴的なフィルムです。特に青や緑が美しく映ります。まるで絵画のような風景写真が撮れるため、屋外撮影に最適です。
例えば、室内でのポートレートには「Kodak Portra 400」公園での撮影には「Fuji Pro 400H」を試してみてください。
自然光を活用しよう
フィルム写真だからこそ、光を自然に捉えることが重要です。フィルムはデジタルに比べて光の質感や陰影を豊かに表現できるため、自然な光の捉え方が写真の仕上がりに大きな影響を与えます。以下の内容を参考にしてみてください。
- 曇りの日: 空全体が巨大なソフトボックスのように働き、柔らかい光が差しこみます。曇りの日は「今日の撮影は無理かな」と思うかもしれませんが、実はポートレートには最高の条件です。
- 晴天の日: 直射日光が強くなるため、木陰や建物の影を活用して柔らかい光を取り入れましょう。被写体にはちょっとした日陰がベストです。
- ゴールデンアワー: 日の出直後や日没前の時間帯は、温かみのある光が被写体を照らします。フィルムカメラでもこの時間帯の光を活かすことで、フィルム特有の質感や深みのある色彩を引き出すことができます。
リラックスした雰囲気をつくる
被写体がリラックスできる環境をつくることで、自然な表情やポーズを引き出すことができます。
- 撮影前に雑談を挟もう: 撮影前に軽く撮影の意図や雰囲気を共有しましょう。同じゴールを被写体と共有することで、「どんな風に写ればいいのか」という被写体の不安をなくせるかもしれません。
- 自然な動き: 具体的な指示ばかりよりも、自然な動きや会話の中から生まれる表情を捉えることが大切です。無理に「笑って」と言わず、少し面白い雑談で自然な笑顔を捉えましょう。
- 好きな音楽: 被写体が好きな音楽を流して、リラックスした雰囲気づくりをしてみましょう。音楽の力を借りて、被写体のテンションを上げてみましょう。
ポートレート撮影はクリエイターと被写体の距離感が試されます。撮影への緊張感をなるべく減らして、スナップ写真を撮るような雰囲気を演出することを意識してみましょう。
いかがでしょうか。
デジタルと違って、フィルムカメラでのポートレート撮影は少し難しく感じるかもしれません。しかし、大事なポイントを忘れないでください。フィルムは、どんな写真でも被写体とあなたが撮影した日の記憶を残します。それだけでも、十分素敵なポートレートになります。フィルムカメラの魅力を存分に引き出して、心に残る一枚を撮影しましょう。