みなさん、朝起きたら一番最初に何をされますか。
おそらくスマートフォンを開くのではないでしょうか。この癖、悪いとは思いつつ中々意識的に治すことは難しいです 。「今日も気がづけばずっと携帯を見てしまった…」と繰り返し後悔することもあります。
今回は、テクノロジーから離れられない私たちが参考にしたい考え方の「デジタルミニマリズム」を紹介しながら、写真との関連性を解説していきます。
「デジタルミニマリズム」は、ジョージタウン大学のCalvin C. Newport推教授が提唱した概念です。デジタルデバイスやオンラインでの活動を意識的に制限すること、シンプルな生活を目指すライフスタイルを指します。
テクノロジーに囲まれ、情報過多に悩む多くの現代人にとって、「デジタルミニマリズム」は精神的な解放を意味することがあります。簡単にいえば、どうしても必要な時にはテクノロジーを使いつつ、それ以外ではなるべくリアルな体験に集中するように、こころがけるものです。
フィルム写真はリアリティのある体験
例えば、フィルム写真は「質の高い経験」を求めるデジタルミニマリズムの良い例と言えます。これは、じっくりと被写体を選び、丁寧に写真を撮る過程自体に価値があるからです。画質や機能面ではデジタルカメラに劣るかもしれませんが、フィルム写真特有の暖かみや独特の質感、そして撮影から現像までのプロセスは、多くの人々にとって新たな発見や学びの場となっています。
画質や機能面ではデジタルカメラに劣るかもしれませんが、フィルム写真特有の暖かみや独特の質感、そして撮影から現像までのプロセスは、多くの人々にとって新たな発見や学びの場となっています。
さらにフィルム写真は、デジタルカメラやスマートフォンと違い、現像に時間がかかるため即時性がなく、限られた数の写真しか撮れません。この制限が、撮影者にとって一瞬一瞬を慎重に選び、大事に撮影しようとする気持ちを促します。また、現像というプロセスを経て初めて写真が手に入るため、結果を見るまでの期待感や、写真一枚一枚に込められた価値が非常に大きくなります。
リアルな写真の価値
またフィルムは、物理的な存在としての写真を提供します。この物質的な存在感は、デジタルファイルにはない体験を与え、デジタルミニマリストにとっても魅力的な選択肢になり得るでしょう。手に取って感じることのできるリアルな写真は、デジタルとは異なる満足感を提供します。
画面で見るのではなく、紙で写真を見る体験。同じイメージを消費するとしても、得られる感情のぬくもりは全くの別体験かもしれません。
デジタルミニマリズムとフィルム写真は、「本当に大切なものは何か」を見つめ直すきっかけを提供します。ある種、自己発見や内省につながる重要なプロセスであり、デジタルの波に疲れた、現代人にとっては、新たな生きがいを見つける手段となるかもしれません。