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とくにこのところ、春はあっという間に過ぎていく。 少しでも桜の姿をとらえておきたくて、今日もカメラを手に用水路沿いの桜並木道を歩く。 古くなって座面が大きくヒビ割れしているベンチにカメラを向けていると、後ろから自転車を飛ばしてくる音がした。 ここは高校生たちの通学路でもある。少々無茶な接近スピードで、見なくても男子高校生だと分かる。 その後ろ姿を画面に写り込ませたのは、半分ワザとだ。 若いというのは、それだけで希望を意味する。 時代遅れの古い物には気を使わず、未来へと走れ。 とはいえ、私だって、あの頃に戻ってやり直したいだなんて一つも思わない。 どの世代でも、どの時代でも、多かれ少なかれ、その時々・各々の固有の悩みや苦しみがあるもので、それを比較してみたって意味がないからだ。 撮っているうちに、私は自分の一番苦手とする被写体がソメイヨシノであることに気がついた。 こんなに真っ白で、撮ろうと思うそばから変化していってしまうソメイヨシノが。 楽しく撮っているように見えるかもしれないが、実は、半分以上の時間をイライラして過ごしている。 でも、そういう悩みこそが、今このときを生きる理由なのだ。 #桜 #サクラ #ソメイヨシノ #染井吉野 #cherrybrossom #桜並木 #4月

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